経済的な問題で困っている人の生活再生を支援…「生活サポート基金」を取材

TOKYO MX(地上波9ch)は、世界中の報道機関やエンターテインメント企業が加盟する「SDGメディア・コンパクト」に参加しています。その活動の一環として、社会的な課題解決に取り組む企業・団体にフォーカスした動画コンテンツ「TOKYO de SDGs」の配信を行っています。第2回の取材先は、経済的な問題で困っている人の生活再生を支援する「生活サポート基金」です。取材先には、TOKYO MXの田中陽南キャスターがカメラを持って訪ねました。

SDGsの目標の1つに、「貧困をなくそう」という目標があります。都内にも貧困に悩む人が多くいる中、そのサポートを行う団体「一般社団法人 生活サポート基金」が飯田橋にあります。

「生活サポート基金」は、経済的な問題で困った人の生活再生・安定化をサポートする団体です。

多重債務を抱えた人、債務整理の必要がある人、銀行などからお金が借りられない人のための「相談事業」や「貸付事業」が主な活動内容です。

代表理事である久保田さんにお話を伺いました。

この相談室には毎年1000人程が相談に訪れており、現在は多重債務者だけでなく、生活困窮で生活費がない人や、今後どのように生活したらよいか困っている人も増えていると話します。

生活サポート基金では、相談に訪れると家計表の作成・アドバイスを行ってくれます。支出を減らせる項目はないか、債務整理で支払いを軽減できないかなど、家計をシミュレーションし、生活再生に向けて中長期的なアドバイスをしてくれます。

具体的な相談手順としては、相談を予約する時にヒアリングが行われ、解決策に必要となる資料が案内されますので持参します。

生活サポート基金では、相談者の具体的な解決策を見つける手立てとして3枚の書類を記入します。

1枚目は、基本情報や現在困っていることを記入する「相談受付カード」。
2枚目は、借入先や借入内容、返済方法を記入する「債務総括表」。銀行や消費者金融、クレジットカードなどの債務だけでなく奨学金や家賃、公共料金、税金の延滞まで含まれます。

そして、相談の肝になってくるのが3枚目の「家計表」です。1か月単位で相談者の家計・収支を把握する目的で作成します。
「月の収入」は本人の収入のほか、配偶者の収入・年金・児童手当などを書く欄もあります。
「月の支出」は、食費などの基本生活費、家賃・車にかかる費用・通信費・学費・嗜好品など細かく項目が分かれています。

食べ物と酒を分けるなど、かなり細かく項目分けをしていることについて、どのような意味があるのでしょうか。理事の清原さんにお聞きしました。

「支出をざっくりとイメージすることによって、収入に対して支出がだいたい赤字になるんですね、この赤字を解決しなければいけないわけです。こういうもの(家計表)があると、ご本人がこんなにここでかかっていたんだという気づきになって、ここをいくら減らすというのがご自身の意思として出てくるんですね」と説明しました。

最近の相談者の傾向としては、20代の若者が増えているそうです。
また、コロナ禍で食べるものに困窮した人に向けて、生活サポート基金ではフードバンクと提携して、必要な人に食料をすぐに手渡せるようにしています。

清原さんは、「相談に来た方は本当に傷ついていたり、本当に心底途方に暮れていたりする方が多いので、まずは共感ですね、受け止める。状況を聞いて、決して否定しないということですね。相談者さんがどうしたいのかということを、一緒に探りながら、方向性を見つけていくということを、気をつけています」と話していました。

「TOKYO de SDGs」♯2経済的な問題の「生活サポート基金」
YouTube TOKYO MXチャンネルで配信しています。
https://www.youtube.com/watch?v=WVp18_ZblyY

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