大型補強を目論むオリオールズ 先発右腕ギブソンと1年契約で合意

再建モードから勝負モードへ移行する段階にあり、今オフは大型補強を目論んでいるとみられるオリオールズがまずは先発ローテーションの補強に動いた。メジャーリーグ公式サイトが関係者から得た情報によると、オリオールズはフィリーズからフリーエージェント(FA)となっていた先発右腕カイル・ギブソンと1年契約で合意したという(金額などの詳細は現時点では不明)。今季唯一規定投球回&2ケタ勝利をマークしたジョーダン・ライルズがFAとなったため、ギブソンはその穴を埋める働きが期待される。

現在35歳のギブソンはメジャー10年間で2ケタ勝利7度、通算89勝の実績を誇り、今季はフィリーズで31試合に登板して167回2/3を投げ、10勝8敗、防御率5.05、144奪三振をマークした。通算防御率4.52という数字が示すように、支配的なピッチングをするタイプの投手ではなく、どちらかといえば、ある程度失点しながらも多くのイニングを消化するイニングイーターというイメージ。ただし、レンジャーズに在籍した2021年の前半戦には17先発で6勝1敗、防御率2.29の好成績を残し、キャリア唯一のオールスター・ゲーム選出を果たしている。

オリオールズの先発ローテーションは、現時点ではカイル・ブラディッシュ、ディーン・クレーマー、タイラー・ウェルズ、オースティン・ボースといった顔ぶれが中心になるが、誰一人としてシーズン25先発以上の経験がない。来季はトップ・プロスペクトのグレイソン・ロドリゲスの昇格も予定されているが、投球イニング数を管理しながらの起用になる可能性が高く、シーズン30先発以上を計算できるギブソンの加入は非常に大きい。

また、オリオールズはギブソンだけでなく、さらなる先発補強に動く可能性が高いとみられている。移籍情報サイト「MLBトレード・ルーマーズ」はジェイムソン・タイオン、クリス・バシット、タイワン・ウォーカーといったFAの投手たちを獲得候補としてリストアップ。今季予想外の躍進で83勝を挙げたオリオールズは、どんな陣容で来季の開幕を迎えることになるのだろうか。

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