【SNS特報班】宮崎市中心市街地での喫煙は?

宮崎市の一番街にある市の指定喫煙所。同市の中心市街地の一部では、条例で指定喫煙所以外での路上喫煙が禁止されている

 宮崎市の中心市街地や商店街の店の前で喫煙は認められているのでしょうか。【宮崎市・65歳男性】
路上喫煙 条例で規制 店舗敷地内の対応難しく
 宮崎市の男性は、宮崎駅から一番街まで商店街を歩いていると、店先で喫煙する人や灰皿が置いてある店舗を見かけた。「2027年には国民スポーツ大会が予定され、県外からたくさんの人が訪れる。中心市街地として課題ではないか」と感じたという。
 宮崎駅前商店街「あみーろーど」や若草通り、一番街やその周辺では、店先に灰皿が置かれている店はほとんどない。ただ男性に詳しい情報を寄せてもらうと、店先などに灰皿が置かれている店が20軒ほどあった。
 ほとんどの店で灰皿は店舗の敷地内にあった。このうち洋服店の40代男性店員は「お客さんに喫煙者が多い。店から離れた場所にある喫煙所の利用を求めるのも難しい」と語った。
 飲食店が目立つ通りにある小売店の50代男性店主は「周辺にある店から出てきた人が路上でたばこを吸うことがある。吸い殻を捨てる人がいるので、灰皿を置いている」と打ち明けた。
 宮崎市の条例を調べると、アーケードが設置されている若草通りや一番街、橘通りでは、3カ所ある市指定の喫煙所以外で、路上喫煙は禁止されている。
 市環境指導課によると、市の職員が条例の区域内を見回り、路上喫煙者に指導。2007年度は2573件の路上喫煙を確認したが、年々減少しており、21年度は約120件だった。
 一方、条例に基づいて指導できるのは区域内の路上喫煙者だけに限られる。区域内にある店でも敷地内に灰皿が置かれているだけでは対応が難しく、同課は「路上喫煙につながる行為。撤去をお願いするしかない」としている。
 日本たばこ産業(JT)宮崎支社によると、中心市街地での喫煙を巡る問題は他県でも起こっているという。問題を解決するため、JTが行政や大学生らと連携。駅前やデパートなどの景観に合わせた外観や、地域の情報発信の機能を持たせた喫煙所を設置する取り組みを進めている。
 JTは9、11月、宮崎市と商店街の代表者らと意見交換会を開いた。中心市街地での喫煙の課題や、解決に向けた県外の対応などについて情報交換した。
 同支社の川村聡部長(45)は「喫煙所を置くことで、路上喫煙の防止につながる。地域の現状に応じて、喫煙者と非喫煙者の落としどころを探る取り組みを続けていきたい」と話している。

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