北木島のカキ養殖業者支援へCF 台風で被害、新設備導入費用募る

海からカキを引き上げ、成長具合を確認する藤井さん

 笠岡市で地域活性化に取り組む市民グループ「かさおか貢献隊」は、台風被害に遭った同市・北木島のカキ養殖業者を支援しようと、新たな設備の導入に必要な費用をクラウドファンディング(CF)で募っている。23日まで。

 島で唯一養殖を手掛ける「勇和水産」(同市北木島町)は9月、台風でカキいかだが損壊する被害を受けた。養殖場の見学会などを開いて島の盛り上げに一役買ってきた同社の窮状を貢献隊の東澄子代表(54)が知り、援助を申し出た。

 同社が本格導入を目指しているのは「バスケット養殖」と呼ばれる方式。ホタテの貝殻に稚貝を付けて海中につるす現行方式と異なり、稚貝をかごに入れて成長させる。十分に波に揺られて育つことで身太りが良くなり、甘みも増すといい、国内の産地で広がっている。

 カキ収穫後に廃棄物となるホタテの貝殻を使わないため環境にも優しい。CFの目標額は120万円。プラスチック製のかご(容量25リットル)が約400個購入でき、来年春の導入を目指している。

 「新たな養殖方式の導入でより高品質の商品を消費者に届けたい」と同社の藤井和平代表(52)。貢献隊の東代表は「カキ養殖は人口減少が続く島にとって大事な産業。応援をお願いしたい」と話している。

 CFは山陽新聞社や中国銀行などが運営する「晴れ!フレ!岡山」を活用。返礼品として北木島産のカキなどを贈る。詳細や支援は専用サイト(https://readyfor.jp/projects/107002)。

バスケット養殖で使用するかごのサンプル

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