【DeNA】知野、巨人・松田の自主トレ参加へ「熱男になって帰ってきます」

秋季練習で汗を流す横浜DeNAの知野(左)=11月、横須賀市夏島町の2軍施設「DOCK」

 横浜DeNA若手の知野が今オフ、ソフトバンクから巨人に移籍した松田の自主トレに参加することを明かした。「大きく変わらないと、このまま終わってしまうと思った」と強い危機感をあらわにする。ソフトバンクの常勝時代を支えたベテランの教えを仰ぎ、飛躍を誓う。

 2位に躍進したチームの陰で屈辱を味わった。4年目で初めてつかんだ開幕スタメン。プロ野球選手としての明るい前途が開きかけた試合で、知野は悪夢を見た。不慣れな一塁の守備でミスを重ね、試合後はベンチから動けない。涙を浮かべて誰もいないグラウンドを見詰めた。「俺がチームを負けさせた」と自分を責めていた。

 その後は尾を引いたかのような日々だった。7月を最後に1軍出場はなく、昨季を下回る16試合で打率1割5分4厘。秋季教育リーグ「みやざきフェニックス・リーグ」を振り返っても、「もう全く(駄目)」とかぶりを振る。「見失っていた部分がある。もう一回取り戻せるように」と根本から見直そうとする。

 主戦場の遊撃には大和、柴田、森らがひしめき、中日から実績十分の京田も加わる。球団からは「その争いに入れるように」と激励されたという。一方で知野は「(遊撃を)目標にしつつ、どんなポジションでも高いレベルで守れたら」と、出場機会を貪欲に求める。

 通算1831安打を積み重ねている松田の打撃とは共通点もある。「松田さんは前で打つタイプ。僕も結構ポイントが前なので、吸収して自分の形にしたい」。技術だけではない。闘志むき出しのプレーから「熱男」の愛称で親しまれる松田の全てを学ぶつもりでいる。「熱男になって帰ってきます」。静かな口調に決意を込めた。

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