和大生が龍神の将来考える 住民らと体験型講座

地域の将来などについて意見を出し合う和歌山大学の学生と地域住民ら(4日、和歌山県田辺市龍神村安井で)

 和歌山県田辺市龍神村安井の龍神市民センターで4日、和歌山大学観光学部の学生が、住民や林業関係者と地域の将来について考える体験型講座があった。「地域の祭りを大切にするべき」「自然を体感できるプログラムが欲しい」といったアイデアが出た。

 和大の「地域連携プログラム」の一環。学生たちはこれまでに、龍神村で林業の現場を見学したり、住民に取材したりしてきた。

 体験型講座では学生と住民らが6、7人ずつのグループに分かれ、龍神村の課題や魅力について話し合った。「PRが不足している」「わら細工や竹細工の作り方などの高齢者の知恵は、地域の産業になり得るのでは」という意見もあった。

 体験型講座に先立ち、地域について考えてきた学生たちによる意見発表もあった。「豊かな自然があるからこそ龍神村の林業や暮らし、龍神ブランドが成り立っている」という趣旨で、最後には「龍神で、夢描こう。」というキャッチフレーズも提案した。

 参加した龍神村森林組合の真砂佳明組合長(54)は「学生たちは龍神村のことを一生懸命に考えてくれていたし、聞いた話をまとめる力もあって優秀だと感じた」と話した。大阪市出身で3年生の小西良さん(22)は「いろんな場所を訪ねて得られた知識を出し尽くせた感じがある。めちゃくちゃ楽しかった」と満足そうだった。

 この日の体験型講座で出た意見をまとめた発表会は、来年2月に開催予定。

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