能勢電鉄 運賃改定の実施について

出典:能勢電鉄

能勢電鉄株式会社(本社:兵庫県川西市)は、2021年1月20日(水)、近畿運輸局長宛に鋼索鉄道事業の旅客運賃の上限変更認可申請を行い、2021年3月4日(木)付で申請どおりの内容で認可を受けましたので、本年3月20日(土・祝)から鋼索鉄道事業の運賃を次のとおり改定すると発表しました。

1.改定理由

当社の鋼索線は、日蓮宗・能勢妙見山への参拝客をはじめ、ハイキングや妙見の森バーベキューテラス等のレジャー施設利用を目的としたお客様を中心にご利用いただいていますが、その輸送人員は、能勢妙見山への参拝客の減少や、自動車等への移動手段の変化等により、1974年度の198千人をピークに年々減少し、2011年度には75千人まで落ち込みました。このような状況に歯止めをかけるため、妙見山地区の活性化に向けた施策として、旅客誘致施設(山上の足湯)の新設や、駅舎・車両の改修に加え、沿線地域とアーティストが一体的に催す芸術祭「のせでんアートライン妙見の森」等を開催しました。2017年3月には、現行運賃への改定を行うとともに、継続的な費用削減に努める中でも、安全性の一段の向上を図るべく、2019年3月には、老朽化したケーブルカーの機械装置(制御装置・巻上装置)の更新を行いました。さらに訪日観光需要向けに、施設の案内表示・PR刊行物や、車内放送の多言語化等を実施した結果、2019年度の輸送人員は100千人となりました。
しかし、これらの旅客誘致を目的としたイベントや訪日観光客による将来の集客増加を見込むとしても、慢性的な赤字トレンドからの脱却には至らず、現行の運賃では、収支状況の改善の見通しが立たない状況にあります。

2.改定の内容

(1)実施日 2021年3月20日(土・祝)
(2)改定率 上限運賃 平均 11.1%
(3)普通旅客運賃 400円(現行 360円)
(4)定期運賃割引率
通勤 39.0%(現行 39.0%)
通学 60.6%(現行 60.6%)

3.改定率

4.現行・改定運賃比較表

(1)普通旅客運賃(大人)

(2)通勤定期旅客運賃(大人)

(3)通学定期旅客運賃(大人)

5.収支実績と推定

6.運賃収入内訳実績と推定

7.輸送人員の推移と今後の見通し

8.設備投資の実績と今後の計画

(1)設備投資の実績と今後の計画

(2)主要な設備投資の内容
1. 老朽化に伴う制御装置、ケーブル巻上装置の更新工事(2018年度)
【投資額】144,628千円
2. 券売機更新工事、安全対策工事(隣接斜面防護ネット・土留柵設置)(2019年度)
【投資額】 9,123千円
3. Wi-Fi設備等新設工事、安全対策工事(隣接斜面防護土留柵設置)(2020年度予定)
【投資額】 14,441千円(見込)

9.収支改善に向けた取組み

(1)これまでの取組み
1.経費削減施策
・人件費削減(再雇用およびパート従業員の活用)
・閑散期(冬期)休業期間の導入
2.サービス改善施策
・車内放送多言語化(2017年度)
・ケーブル・リフト連絡往復割引乗車券の発売 (2018年度)

(2)今後の取組み
・法面防護工事(継続実施)
・ケーブル施設および車内のフリーWi-Fi整備(2020年度予定)
・ハイキング等イベントの開催
・訪日観光客に対する誘致施策および受入環境の継続整備

10.その他

1.索道線についても下記のとおり2021年3月20日(土・祝)より運賃改定を実施します。

能勢電鉄株式会社

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