「転スラ」応援の声がエネルギー 主人公役の声優・岡咲美保が帰岡

「転スラを愛してくれる皆さんの声や地元の友人、家族の応援がエネルギーになっている」と話す岡咲さん

 全国公開中のアニメ映画「劇場版 転生したらスライムだった件 紅蓮(ぐれん)の絆編」。異世界に転生した主人公・リムル役の声優は岡山県出身の岡咲美保だ。舞台あいさつで帰岡した岡咲は「名前を知ってもらえるきっかけになった作品で岡山に帰ることができてうれしい。進化した『転スラ』を劇場で楽しんで」と呼びかける。

 転スラは人間からスライムに転生した主人公が身に付けたスキルを生かし、知恵と度胸で仲間を増やしていく物語。小説投稿サイトで生まれ、小説やコミックなど関連書籍の累計発行部数は3千万部を超える。2018年にテレビアニメ化され、デビュー2年目だった岡咲は初主演を果たし「責任感もあったがうれしさでいっぱいだった。リムルは私にとって切っても切り離せない、声優人生を作ってくれたキャラクター」。活躍の幅を広げ、20年に「声優アワード」で新人女優賞を獲得した。

 初の劇場版は12以上の国と地域での公開が決定。リムルが小国の女王を救うため、仲間と陰謀に立ち向かう完全オリジナルストーリーで「演じ続けてきたが、物語の中で成長するリムルと一緒に私も芝居で成長していかなきゃと意識している」と話す。

 魔法使い、お花屋さん、フィギュアスケート選手…。幼い頃からさまざまなものに憧れ「アニメの世界なら役を通して何にでもなれる」と思った。高校在学中に声優養成所の門をたたき「夢に近づけているのかと疑問を感じることもあったが、前向きな思いを信じ続けてここまで来られました」と振り返る。

 注目を集める声優の一人となった今、イベントなど地元・岡山ゆかりの仕事も増え、励みになっているという。「日々の生活の中で弱気になったときに、ポジティブな思いを感じてもらえるような、キラキラした気持ちを届ける存在になりたい。その初心は変わりません」

 「劇場版 転生したらスライムだった件 紅蓮の絆編」はイオンシネマ岡山、TOHOシネマズ岡南、MOVIX倉敷などで上映中。

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