旧静岡県清水市で一家4人が殺害された、いわゆる「袴田事件」の再審=裁判のやり直しを巡る最後の三者協議が12月5日、東京高裁で行われました。「5点の衣類」をめぐり、弁護側と検察側の主張は最後まで真っ向から対立しました。
<主任弁護人 西嶋勝彦弁護士>
「(再審)開始決定になるだろうと思っている。それ以外は考えられない」
12月5日行われた最後の三者協議では、弁護団が事前に提出した最終意見書の要点を裁判官に説明しました。
弁護側は犯人が着用していたとされるいわゆる「5点の衣類」の血の赤みについて、実験などの結果、「血痕を長期間、みそにつけると赤みは残らない」と結論付け、「5点の衣類」はいずれもねつ造されたもので、袴田さんは犯人ではない、とあらためて主張しました。
一方、検察側は独自の実験の結果、長期間みそ漬けにしても血痕の赤みは残ったと主張しました。
5日は、袴田巖さんの姉・秀子さんも傍聴したほか、午前中には、裁判官が袴田さん本人と面会したということです。
東京高裁は、2023年3月末までに判断を下す見通しです。