「終わったわけではない 対策も対応も不十分」…「所在の確認」怠った疑いで元理事長や担任ら4人書類送検=静岡・園児バス置き去り死事件

発生からちょうど3か月、警察は異例のスピードで立件に至りました。2022年9月、静岡県牧之原市の認定こども園で、通園バスに3歳の園児が置き去りにされ死亡した事件で、警察は事件の日、バスを運転していた元理事長ら4人を12月5日、業務上過失致死の疑いで書類送検しました。

事件後、報道陣の前で深々と頭を下げた元理事長。バスでの置き去りで安全注意義務違反が疑われています。

5日に書類送検されたのは、当時、通園バスを運転していた、川崎幼稚園を運営する学校法人の元理事長の男性(73)と、当時バスに乗っていた運転手補助員の女性(76)、亡くなった園児のクラス担任をしていた女性(47)、クラス担任補助だった女性(26)の4人です。

この事件は2022年9月5日、川崎幼稚園の駐車場で通園バスの中に、この園に通っていた女の子(当時3歳)を置き去りにして重度の熱中症で死亡させたものです。

警察によりますと、元理事長と運転補助員の女性はバスの中の確認を怠ったこと、クラス担任と補助員は出欠確認などを怠った疑いが持たれています。警察は「所在の確認」をしなかったことが、女の子の死亡につながったと判断、書類送検に踏み切りました。

捜査関係者によりますと、4人は容疑を認めているということです。5日、元理事長の自宅を訪ねると…・

<記者>

「ごめんください」

「…」

応答はありませんでした。

牧之原市によりますと、川崎幼稚園では、事件発生翌日から12月5日までに23人が退園していて、その大部分は事件がきっかけになっています。

元理事長らの書類送検で、事件は一つの節目を迎えました。しかし、牧之原市の杉本市長は「全てが終わったわけではない」と語気を強めました。

<牧之原市 杉本基久雄市長>

「県と市の指導勧告による対策・対応も不十分。民事的な部分も解決できていないと思っている」

牧之原市は今後、これまでの是正措置がしっかりとれているかを確認、指導していく方針です。

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