キーワードは「テロメア」!ダイエットが老化防止につながる理由

おはようございます。朝美人アンバサダーで、ダイエット講師岩瀬結暉です。

突然ですが、「テロメア」という言葉を聞いたことはありますか?

テロメアとは、遺伝子情報が書かれている染色体の末端部にあり、染色体を保護する役目があります。

細胞が分裂するとテロメアは少しずつ短くなり、分裂の回数が減り、細胞の老化につながります。テロメアが短くなるスピードは、老化が進むスピードでもあり、同じ年齢であっても、テロメアが長い人は短い人より見た目が若いことも分かっているそうです。

実は、このテロメアの長さは、生活習慣と肥満に大きく関係しています。では、テロメアを長く保つためには、どのような生活を送ればよいのでしょうか?

増えた脂肪組織は、テロメアを短くする

人の体は年齢とともに基礎代謝が落ち、男女問わず太りやすくなります。太ってくると、脂肪組織で活性酸素が多く作られるようになり、この活性酸素をやっつけてくれる抗酸化酵素が減ります。

体内で活性酸素が増えると、DNAが傷つけられ、DNAに与えたダメージが修復されにくくなり、テロメアが短くなりやすいと言われています。

つまり、肥満がテロメアを短くしてしまうのです。

同じ年齢であっても、肥満の人とそうでない人のテロメアの長さの差は、8.8年分の寿命に相当された、という研究報告も。

肥満になると、見た目がふっくらしたり、血管や心臓に負荷がかかったりするだけでなく、テロメアまでもが短くなり、老化を招いてしまうのです。

ちなみに、煙草を吸う人も体内で活性酸素が増えるのですが、煙草より肥満の方が、よりテロメアを短くするそう。

増えすぎた脂肪細胞は、煙草よりも活性酸素を増やし、酸化ストレスを増やす大きな原因になるのです。

食事法と内容でテロメアの長さは変わる

太っている、痩せているなどに関係なく、テロメアを長く保つ方法もあります。

【1】食事の回数や量、食べ順、内容に気をつける

まずは、定期的に食事の回数を減らしたり、量を減らすこと。

飢餓である時間を作ることは、長寿遺伝子であるサーチュイン遺伝子が活性化し、基礎代謝を上げる細胞内のミトコンドリアを増やすということは、以前もご紹介しました。

腹八分目にする、定期的に半日断食をしてみる、など食べる回数と量を減らすことは、テロメアを長く保つためには有効だと報告されています。

また、血糖値が急激に上がると、体内に炎症がおこりやすくなり酸化ストレスが増えてしまいます。酸化ストレスを増やさないために、血糖値を緩やかにする食事法が有効です。

食物繊維の多いおかずを先に食べてから糖質は最後にするというように、食べ順に気をつけたり、食前に水を飲んだりといった方法がおすすめです。

活性酸素をやっつける抗酸化物質を含む食品を多く摂ることもgood。

ビタミン類、オメガ3脂肪酸、ポリフェノールなどを多く含む食品(野菜・果物・コーヒー・緑茶・ベリー類・クルミなど)を意識して摂取しましょう。

【2】運動を習慣にする

また、運動も、テロメアを長く保つために有効と言われています。

ストレスは活性酸素を増やし、細胞を攻撃することはご存じだと思います。運動をしてストレスを発散する、運動をすることでエネルギー代謝を促進するミトコンドリアを増やして、脂肪細胞を減らすなどの相乗効果が期待できます。

このように、運動はテロメア保護することが明らかになっています。また、筋代持久力が高い人ほどテロメアが長かったそうです。

しかし、過度な運動は活性酸素を増やしてしまいます。ウォーキングやヨガ、ゴルフの打ちっぱなしなど、楽しみながらできる適度な有酸素運動を生活の中に取り入れましょう。

そして、ダイエット目的の運動と同じく、とにかく続けることが大切です。

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要は、ダイエットに必要な血糖値を上げない食事法や運動は、テロメアを長く保ち、歳をとらない生活習慣であるということ。

「もう歳だから…」と諦めたりせずに、これからの自分のためにちょっとだけ頑張ってみるのも楽しいものですよ。

ご質問がございましたら、私のInstagram(@yukinyansa)のダイレクトメッセージにご連絡くださいませ。

【参考文献】

エリザベス・ブラックバーン, エリッサ・エペル, 森内 薫訳『細胞から若返る! テロメア・エフェクト 健康長寿のための最強プログラム』NHK出版

☆この連載は【毎週火曜日】更新です。次回もどうぞお楽しみに!

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