いまがまさに旬の食材、自然薯。静岡県藤枝市岡部町の「とろろ屋 照るてるぼーず」は、とろろ汁の定食をメーンに、昼だけ開いている店です。この店自慢の自然薯料理が、定番のとろろ定食です。温かい麦ごはんに、とろろ汁をかけて頂きます。
<客>
「自然薯は独特の風味とねばりがあってすごくおいしいです」
店主の山口昭さんは岡部町朝比奈出身。生まれ育った地元の味を広めたいと自然薯を楽しめる店をオープンさせました。
<とろろ屋 照るてるぼーず 山口昭さん>
「子どもの頃に食べていたのが、かつお節でのばしていた、かつおだしだったんで」
とろろ汁は、かつおだしの味噌汁でのばし、自然薯の風味が感じられるさっぱりとした味に仕上げています。
<山口昭さん>
「ごはんにかけた時、このような状態になるようにのばします」
豊富な栄養素を含む自然薯は、滋養強壮や疲労回復、免疫力の向上に優れているといわれます。山口さんは店で出す自然薯を求めて、最盛期を迎えている農家へ、頻繁に足を運びます。
<自然薯農家 薮崎一郎さん>
「これ太いな」
<山口昭さん>
「立派な自然薯ですね。小さい頃から食べているので、ふるさとの味ですね」
岡部町の自然薯は、粘りが強く、味が濃いといわれます。
<山口昭さん>
「岡部にたくさんの人が来てくれたらいいなと思って。自然薯ってなかなか食べられるものじゃないので、少しでも岡部の事を知ってもらえるように、とろろ屋さんをつくりました」
山口さんのひたむきな思いを作り手も応援します。
<自然薯農家 薮崎一郎さん>
「自分たちも地元が活性化すればいいなというのがあります。それがたまたま山口さんと出会って、山芋を広げていこう、という気になりました」
岡部町の自然薯農家は、現在数軒しかありません。この店で山口さんは高校の同級生と共に岡部町の自然薯の美味しさを伝えます。
<とろろ屋 照るてるぼーず スタッフ 滝井智さん>
「栄養価が高いものなので、味が変わりやすいというのがすごくあるので、作り置きはあまりせずに、その日で使える量だけを、しっかりと作ることをやっています」
毎日、新鮮な自然薯を提供することをモットーとしています。そんな自然薯の味を引き立たせるメニューも人気です。こちらは、「豚の角煮ととろろ定食」。醤油、酒、みりんで半日かけて煮込んだ豚の角煮は、とろろ汁との相性が抜群です。とろける様な食感が魅力の一品です。
そして、漬けマグロとろろ丼は、たまり醤油を使った自家製の漬けで、厚切りのマグロにとろろが絡み合います。
さらに、冬限定のメニュー、とろろそばと漬けマグロ丼のセットです。心も身体も温まります。
<山口昭さん>
「もともと僕は岡部町朝比奈っていう所が地元で、すごくいい所なので、もっともっと、たくさんのお客さんに、岡部の自然薯を知ってもらって岡部っていう所を知ってもらえたら、うれしいなと思います」
地元愛にあふれるとろろ屋さん、岡部町に立ち寄った際は食べにいきたい店です。