NHK次期会長に稲葉氏 政権に忖度ない報道を

 放送法を遵守し、政権に忖度しない「中立公正な報道」をつらぬく公共放送機関としてふさわしいNHKを実現するために次期会長に誰が選任されるのか関心を集める中、5日のNHK経営委員会は次期会長に元日銀理事でリコー経済社会研究所参与の稲葉延雄氏(72)=を選出した。公共放送として、政権に忖度しない、時の権力にも切り込む報道が強く求められている。稲葉氏の任期は来年1月25日から3年間。

 次期会長を巡ってはNHK出身者らでつくる市民団体「市民とともに歩み、自立したNHK会長を求める会」が「公共放送の会長に相応しい資質、能力を備えた人物、政治権力から自主・自立をつらぬける人物が絶対条件」とし、安倍政権下で権力・圧力に屈せず、公務員としての姿勢を貫いた元文部科学事務次官・前川喜平氏を会長にとネットや紙で呼びかけ、署名活動をしてきた。4日までに4万人を超える人たちが署名している。

 今回、どのような経緯で会長を選出したのか、選考過程を明らかにするため、NHKに対し公開質問で、回答を求める。

 ネット上では「NHK会長は視聴者の投票で決めるべき」「国民投票にすればいい」「国民が関与できないところで決める時点で公共放送の理念もへったくれもない」との意見や「どういう基準で選んでいるのか」「前川さんじゃないのか、風通しが良くなって、政権の悪いは悪いで日本の活力が戻ると期待したんだが、日銀では金融政策、円安批判もなしか・・・」「所詮、NHKも自民党の広報機関だから」との書き込みもある。

 また放送の在り方、受信料の在り方にも疑問を投げる投稿が多く、特にスクランブルを求める声が目立っている。NHKはこうした投稿も踏まえた対応、政権に忖度しない「中立公正な報道」「時の権力に切り込む報道」が強く求められている。(編集担当:森高龍二)

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