倉敷・高梁川流域マリッジサポートセンター(クラマリ) ~ 費用は年会費2,000円のみ!おせっかいすぎない結婚相談所

人生には、いくつかの重大な選択肢が訪れます。

そのひとつが結婚ではないでしょうか。

相手が誰になるかで、その後の人生が大きく変わってきますよね。

でも結婚したいけれど、出会いの機会がなかったり、理想のひとが見つからなかったり。

そんなかたをサポートする、マッチングサービスが世の中にはあふれています。

民間や行政が運営するなど、さまざまです。

倉敷市では行政による結婚支援サービスが提供されているのを知っていますか。

その名も倉敷結婚相談所(通称;倉敷・高梁川流域マリッジサポートセンター、以下「クラマリ」)。

どのようなサービスか、実際に利用して結婚したカップルのインタビューも交えて紹介します。

クラマリの運営と対象者

画像提供:倉敷・高梁川流域マリッジサポートセンター

クラマリの運営は倉敷市、新見市、笠岡市です。

倉敷市の場合は、市から事業委託をされた倉敷市社会福祉協議会が連携し運営しています。

▼各センターの場所は、以下のとおりです。

  • 倉敷センター (倉敷市阿知1-7-2-803 くらしきシティプラザ西ビル8階)
  • 新見センター (新見市新見310-3 新見市市役所総合政策課内)
  • 笠岡センター (笠岡市中央町1-1 笠岡市定住促進センター内)

地域に密着しているので利用には条件があり、以下の2点に当てはまるひとが申し込みできます。

  • 結婚を希望する18歳以上の独身男女
  • 高梁川流域の7市3町に在住、勤務または高梁川流域市町での結婚(移住)を考えているかた

高梁川流域とは:倉敷市・矢掛町・井原市・浅口市・里庄町・笠岡市・新見市・高梁市・総社市・早島町

行政が母体なので、安心できる気がしませんか。

では、次に利用方法を紹介しましょう。

利用方法・ルール

クラマリを利用するための方法やルールは、細かく設定されています。

少し面倒と感じるかもしれませんが、安心して利用できるための対策です。

登録から成立までは以下の流れとなります。

画像提供:倉敷・高梁川流域マリッジサポートセンター

1. 登録

クラマリのホームページ上から入会の申し込み、センターへの来所予約をします。

来所して会員登録が完了です。

登録時には、以下の書類などが必要なので準備しましょう。

  • 独身証明書、または戸籍抄本(取得から3か月以内)の原本またはコピー
  • 写真付き身分証(運転免許証など)
  • 健康保険証または社員証または学生証(勤務先などの確認のため)
  • たて型のL版写真2枚(本人のみ写っており、かつ3か月以内に撮影) ※センターでの無料撮影も可能
  • 所得証明書または源泉徴収票など、所得を確認できる書類のいずれか一つ(直近のもの)の原本またはコピー(こちらは任意提出。年収を記入する場合のみ)
  • 登録事務手数料(登録に係る費用) 2,000円(新見センター、笠岡センターで登録する場合は事前に振り込み)

正直、提出物などが多くて面倒と感じるかもしれません。

でもおかげで安心して相手を選べるのではないでしょうか。

しっかりと自分を証明するものを提出して登録するため、嘘をつけないですからね。

結婚後に隠しごとが発覚してトラブルになるのを防げそうです。

倉敷センター

2. お相手探し

センターで会員情報を閲覧し、相手を探します。

紙ファイルの閲覧もできますが、今はタブレットを使用するのが基本に。

紙ファイル。年齢別に分類されています

職員から相手をすすめられることはなく、自分で相手を探すルールです。

ただし、タブレットにはAIを活用して、行動履歴からおすすめのひとを表示する機能があります。

理想のひとが見つかりやすくなっているようですよ。

3. お見合い

お見合いしたい相手が見つかったら、タブレットのマイページから申し込みをします。

相手が「お受けする」と回答すると、お見合いのステップへ。

マイページの画面

センターの職員が仲介して、日程と会う場所を調整します。

オンライン対面の場合もあります

会うのはセンターから徒歩圏内の喫茶店など。

この時点では相手の連絡先も本名もわからないので、お互いをニックネームで呼びます。

徹底して個人情報が守られているので安心ですね。

お見合いから3日以内には、次のステップの仮交際へ進むか回答しなければなりません。

お見合いは同時に5人まで申し込むことができます。

4. 仮交際

お見合いをして、双方が仮交際を希望すると相手の連絡先と本名が伝えられます。

仮交際は、同時に3人まで可能です。

60日以内には、次のステップの真剣交際へ進むか回答をします。

デートにおすすめなのが倉敷美観地区。見どころが多く会話に困らないかも

5. 真剣交際

双方の会員が交際の意思を表示すると真剣交際に。

真剣交際の相手はひとりで、このステップになると他の会員が検索できないように情報が落とされます。

クラマリからは月に1回状況を聞かれるのみに。

自分たちのペースで交際ができます

デート選びに困った時には「倉敷とことこ」「備後とことこ」で検索を!店や観光地が豊富にあるので参考になりますよ

6. 成立・退会

交際が順調で、センターの利用が不要になれば成立退会に。

結婚してもしなくても退会できます。

クラマリでは個人情報が守られ、自ら相手を探し、自分のペースで交際できるのが特徴です。

2022年9月末の時点で800組が成立した実績があります。

職員のみなさん

リニューアルして変わったこと

クラマリは2021年12月にリニューアルしました。

前身は倉敷結婚相談所の名前でサービスを展開。

▼リニューアルして何が変わったかをまとめました。

  • 利用の対象者が、高梁川流域で結婚(移住)を考えているひとにも拡大
  • 本人の気持ちを重視するため、登録申し込みできるのは本人のみに
  • 新見と笠岡のセンターを新設したことで、その地域に住むひとは倉敷へ行かなくてもサービスを受けられるように
  • サービスは予約制
  • タブレット導入で検索しやすくなった

リニューアルしてますます利用しやすく、便利に。

倉敷市より事業委託され、クラマリを運営している倉敷市社会福祉協議会。

職員の阿部紀子(あべ のりこ)さんと、浅木千絵(あさき ちえ)さんに話を聞きました。

さらにクラマリを利用して結婚したカップルにもインタビューしましたよ。

利用対象者を高梁川流域にゆかりのあるひとに限定しているクラマリ。

地域に特化した結婚サービスを展開しているクラマリについて、運営する倉敷市社会福祉協議会 職員の阿部紀子さんと浅木千絵さんにインタビューをしました。

職員にインタビュー

──いつから結婚相談所のサービスを展開しているのですか?

阿部(敬称略)──

50年くらい前からですね。

水島の工場地帯に若いひとが集まって、そのかたがたに支援を始めたと聞いています。

阿部さん

──どんなひとに利用してほしいですか。

阿部──

出会いの機会がないひとに利用してほしいですね。

職場と家の往復で終わっていたり、仕事場に異性がいなかったりするひとに。

昔みたいにコンパも聞かない世の中になりましたしね。

街中で声をかけるより、こちらで申込したほうが楽ですし。

ふだんの生活で出会いがなければ、ここでがんばって申込ボタンを押してほしいですね。

浅木(敬称略)──

年会費がとても安いですし、さらにキャンペーン(2022年12月~2023年1月は年会費が半額の1,000円)をしていて、1年間に1,000円で利用できるところはありません。

「ちょっと利用してみようかな」というきっかけづくりになれば。

クラマリにかかる費用は年会費のみ。カップル成立や結婚しても料金は取りません。

浅木さん

──どのように利用者に接していますか?

阿部──

仮交際になればアドバイスさせてもらっています。

申し込み段階では落ち着いて選んでいただくため、職員からのアドバイスは控えています。

個人情報を大切にし、必要な時に必要なタイミングでアドバイスできるよう一歩引いたアプローチをしています。

浅木──

そこらへんの接しかたは、今いる職員がベテランで。

仮交際まで進めば大丈夫です。

阿部──

最初のひとりを申し込む勇気が持てたら変わってくるんですけど。

自分から行動を起こせないひとは、なかなか決まらないんです。

断られたらどうしようと葛藤があるひとには、背中を押していますね。

浅木──

断られてもそのひととは縁がなかったと。ひとりの相手を見つければいいので。

何人に断られても、すてきなひとを見つければいいじゃないですか。

阿部──

理想のひとも家庭も違うので、押し付けや限定的なことを言わないようにしています。

自分の経験を踏まえて「私はこうだったけど、ひとそれぞれだからね」と。

話を聞いてもらってスッキリするかたもいるので、なるべく聞くほうを重視しています。

部屋は男性女性に分かれており、ここで相手を探します

──やりがいを教えてください。

浅木──

私は会員さんと話すことが少ないですが、成婚されたと話を聞いたり、会員さんがクラマリを利用して少しでも喜んでいただけるのがうれしいですね。

他の結婚相談所だとアドバイスをすることが多いと思うんですが、ここは福祉的な観点からそのひとそのひとに寄り添っています。

阿部──

仕事は楽しいですよ。

喜んで来てくださるかたもいますし、何気ないアドバイスでも喜んでくれますし。

軽く話しかけて、あまり触れてほしそうにないかたは深くは接しません。

距離感には気を付けています。

そこが民間とは違ったやりかたですね。

寄り添う接しかたですね。

利用者にインタビュー

クラマリを利用して結婚したカップルにもインタビューしました。

──サービスを知ったきっかけは?

妻──

スポーツジムの友だちからですね。

その友だちが、偶然クラマリの職員だったんです。

婚活中だとその友だちに話したら、「こういう職場(クラマリ)で働いている」と教えてもらって。

信用のおけるかただったので大丈夫なところだと思って利用しました。

吉澤潤子(よしざわ じゅんこ)さん。なんとスポーツジムの友だちはクラマリの職員でした

夫──

会社の先輩がクラマリを使われていて。

先輩からの紹介ですね。

──過去に他の結婚サービスを使ったことはありますか?クラマリを使ったのはなぜですか?

妻──

他のサービスを使ったことがありますね。

前に登録していたところは料金が高くって。

決められた期間に返事をしなければならないことと、お互いOKとなると成婚料も発生するので私に合わないなと。

紹介されるかたが遠方で、男性から私を選ぶスタイルだったのも合わなかったですね。

クラマリは自分で相手を選べるのがいいと思いまして。

──もともと高梁川流域での生活を希望されていたんですか?

妻──

そうですね。

なので、遠方のひとを紹介されても困ります。

クラマリはこの地域(高梁川流域)に住みたいかたに、ぴったりのサービスです。

夫──

30歳を越えて結婚しようと思って、友だちや会社のかたに教えてもらったのがクラマリでした。

正直、他のサービスを比べる前に最初からゴールにたどり着いた感じ。

住むところは全然決めてなかったんですけどね。

──うれしかったサポートは?

妻──

クラマリではファイルで選んだ(利用時にタブレットは導入されていなかった)んですけど、どこまで前見たかや、新しく登録したひとがわかる仕組みだったので、選びやすくてよかったです。

お互いにOK出さないと連絡先がわからないのも安心でした。

マッチングアプリでは最初から連絡先がわかるので不安で。

クラマリは安心感が強いですね。

他には「このひといいよ」とすすめられることや、おせっかいがないので、相手を先入観なく見られるのもよかったです。

夫──

おせっかいがないのがいいですね。

職員さんからの事前情報がないので、プロフィールを見ながら、先入観なく自分の意志で相手を選べたのがよかったかな。

妻──

サービスに困ることはなかったですね。

インタビューしたふたりは利用していないそうですが、各種イベントも開催されています

──どんなひとにクラマリをすすめたいですか?

妻──

すでに何人かの友だちにすすめました。

料金が安いのと行きやすいのがおすすめです。

相談所というかっちりとした雰囲気をあまり感じられなかったのもよかったです。

かっちりしたのが苦手なかたにはいいかなぁと。

クラマリの案内チラシ画像提供:倉敷・高梁川流域マリッジサポートセンター

料金が安いのは大きいですね。

数十万円かかる結婚サービスもあるので。

クラマリは逆に安すぎて「ホントに大丈夫?これでいいのかな」と思う料金ですけど。

利用する前に、クラマリは営利目的ではなくて、地域活性化を目的にしていると聞いていたので安心できました。

すすめた友だちもここで結婚して、子どもも生まれて。すごい幸せそうです。

夫──

会社の後輩にすすめました。

職場は男性ばかりなので。

──付き合ってからも相談に来たんですか?

妻──

個人的な愚痴をこぼしていました(笑)

夫──

僕は来ていない…。

妻──

このサービスがあってよかったです。

子どももできましたし。

スタッフのかたもみなさん優しくてフレンドリーで相談しやすかったです。

おわりに

結婚を希望していても出会いの機会がないひとたちが利用する結婚サービス。

そのひとつが、行政主導で提供されるクラマリです。

全国的なサービスに比べて登録者は少ないですが、地域に特化しているので高梁川流域で結婚生活を考えているかたには、とくにおすすめ。

職員はおせっかいがなく、ほどよい距離で接してくれるので、自分のペースで自ら相手を選べます。

良心的な料金も大変魅力です。

結婚サービスを探しているかたは、気軽に登録して利用してみてはいかがでしょうか。

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