明日は初のドラフト・ロッタリー 全体1~6位の権利を抽選で決定

新しい労使協定で導入が決まった「ドラフト・ロッタリー」がいよいよ明日、日本時間12月7日に開催される。これは全体1~6位のドラフト指名権を獲得するチームを抽選で決めるというものだ。これまでメジャーリーグではドラフト前年の勝率が低い順に指名権が与えられていたため、主力放出などによってチームを解体し、勝率を下げることにメリットがあった。そうした動きに歯止めをかけるべく、今年から新しく導入されたシステムである。日本時間12月7日午前10時30分からMLBネットワークで生中継される。

「ドラフト・ロッタリー」には今年のポストシーズンに出場できなかった18チームが参加する。全体1~6位のドラフト指名権がロッタリーの対象となり、惜しくもポストシーズン進出を逃したオリオールズ(83勝79敗)やブリュワーズ(86勝76敗)にも全体1位指名権を獲得するチャンスが与えられる。

18チームの全体1位指名権獲得の確率は以下の通り。今季の勝率が低い順に確率が高くなっているが、勝率ワースト1位を狙うインセンティブを削減するために、勝率ワースト1~3位は同じ確率となっている。

1 ナショナルズ 16.5%
2 アスレチックス 16.5%
3 パイレーツ 16.5%
4 レッズ 13.2%
5 ロイヤルズ 10.0%
6 タイガース 7.5%
7 レンジャーズ 5.5%
8 ロッキーズ 3.9%
9 マーリンズ 2.7%
10 エンゼルス 1.8%
11 ダイヤモンドバックス 1.4%
12 カブス 1.1%
13 ツインズ 0.9%
14 レッドソックス 0.8%
15 ホワイトソックス 0.6%
16 ジャイアンツ 0.5%
17 オリオールズ 0.4%
18 ブリュワーズ 0.2%

また、勝率が低ければ毎年必ずロッタリーに参加できるわけではなく、市場規模の大きいチーム(=収益分配金を受け取っていないチーム)は2年連続で全体1~6位の指名権を獲得することはできない。市場規模の小さいチーム(=収益分配金を受け取っているチーム)は2年連続まで許されるが、3年連続で全体1~6位の指名権を獲得することはできない。これに該当した場合、得られる指名権は最高でも全体11位となる。

ロッタリーの対象ではない全体7位以降の指名権は従来同様、勝率の低い順に割り振られる。たとえば、ブリュワーズが全体1~6位の指名権を得られなかった場合、自動的に全体18位となる。また、2巡目以降はロッタリーの結果に関係なく、勝率の低い順に指名することになる。さらに、ポストシーズン進出チームは、ポストシーズンの敗退ラウンドが早かったほうから指名することになっている(これも新ルール)。よって、ワールドシリーズ制覇のアストロズが最後、その1つ前がリーグ優勝のフィリーズということになる。

ロッタリーの導入がどのような効果をもたらすかは未知数だが、ウィンター・ミーティングの名物イベントの1つとなっていく可能性もありそうだ。

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