ライン版「龍王易」開発へ 龍神村の名所と結び付け発信

ライン版龍王易の開発に合わせて実施した講習会では、利用方法や表示内容などについて説明があった(和歌山県田辺市龍神村柳瀬で)

 和歌山県田辺市龍神村で地域の特色を生かしたまちづくりに取り組む「龍の里づくり委員会」(伊藤研治委員長)は、占いの一種「易(えき)」と龍神村の観光スポットを結び付けた「龍神村龍王易」を、無料通信アプリ「LINE(ライン)」で利用できるようにする。これまではカードとガイドブックという形だったが、ラインでも占えるようにすることで龍神村の魅力をより広く発信していく。

 「龍王易」では64通りの「卦」で構成されている「易経」と、龍神村にある64の名所を結び付けて紹介している。名所ごとにその紹介と「易」による解説を記しており、64枚のカードを実際に占いに使用することもできる。2020年度に観光庁の事業を活用して500部作った。

 「易」やガイドブックとしての活用に興味のある人らに配布していたが、より多くの人に手軽に利用してもらえるようライン版の「龍王易」を考案。国の「過疎地域等集落ネットワーク圏形成支援事業費補助金」を活用し、東武トップツアーズ(東京都)に委託してシステムを開発している。本年度内の完成を目指している。

 このほど、龍の里づくり委員会が新たな交流拠点として整備している龍神村柳瀬の「DRAGON PARK(ドラゴンパーク)」で、ライン版龍王易の使い方を案内する講習会を開いた。講師は、中国哲学を研究し、龍王易の解説文を担当した鈴木忍さん(63)=東京都=らが務めた。

 鈴木さんは「易」について、諸説あるが3千年前に成立した東洋最古の哲学・占いであること、「陰陽」「八卦」などの基本的な考え方、龍王易の読み解き方などを解説。また、龍王易の理解を深めてもらうため、易占家による占いの種類や特徴についての説明もあった。

 鈴木さんは「日々の暮らしのちょっとしたアドバイスとして受け取ってもらえたらと考えている。龍神村に息づく先人たちの思いや、昔から受け継がれ、尊ばれてきたメッセージも併せて感じてもらえたらうれしい。地域の皆さんと協力して作り上げたものなので、龍神村のスポットについても広く知ってもらい、龍神村のファンを増やしたい」と語った。

ライン版龍王易で、スマートフォンに表示される占いの結果

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