グロージャンがランボルギーニ入り。インディカーと並行して耐久レースに参戦、LMDh開発も担う

 元F1ドライバーのロマン・グロージャンが、ランボルギーニのワークスドライバーに就任した。2022年はNTTインディカー・シリーズで2年目のシーズンを過ごした彼は、イタリアのスーパーカーブランドが2024年にプロトタイププログラムを開始するのに先立ち、LMDh提携チームであるアイアン・リンクスの『ランボルギーニ・ウラカンGT3エボ2』で、2023年1月に開催されるデイトナ24時間レースにデビューすることになった。

 36歳のグロージャンは、来季2023年も引き続きアンドレッティ・オートスポートのフルタイムドライバーとしてインディカー・シリーズに参戦する。その一方で、ランボルギーニのワークスドライバーであるアンドレア・カルダレッリ、ミルコ・ボルトロッティ、そしてまだ発表されていないもうひとりの同僚とともに、アイアン・リンクスによるGTDプロキャンペーンの下、IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権の開幕戦に参加する。

 またグロージャンは、デイトナ24時間以外のGT3耐久レースにも参戦する予定であり、そのすべてのプログラムは後日発表される。彼はさらに、カルダレッリ、ボルトロッティとともに、2024年からWEC世界耐久選手権とIMSAミシュラン耐久カップに参戦予定のランボルギーニとアイアン・リンクスのパートナーシップが走らせる名称未定のLMDhマシンのテストドライバーを務める予定だ。

■過去にはル・マン24時間に参戦した経験も

「ランボルギーニに加入することができ、光栄に思っている。ランボルギーニは、僕や僕の子供たちを含め、クルマを愛するすべての人にとって象徴的なブランドだ」とグロージャンは語った。

「そうしたうえで僕はふたつのことにとても興奮している。ひとつめは、デイトナで大成功を収めたウラカンGT3でスタートすることだ。アイアン・リンクスのような本当に良いチームとチームメイトが僕の周りにいるので、自分にとって素晴らしい発見になるだろう」

「そしてもうひとつは、2023年の後半には新型LMDhを開発すること。これは美しいクルマで、それを見ることができて幸運だった。耐久の面でも素晴らしいプロジェクトだ」

「コンストラクターがこのような集まり、このカテゴリーは非常にエキサイティングなものになっている。ランボルギーニがこのように成功したブランドであるだけに、将来的にうまくいくことを期待している」

 グロージャンはシングルシーターでの成功で知られているが、GP2時代の2010年にはマテック・コンペティションからFIA GT1世界選手権に参戦し、スパ24時間レースに出場。また、同年のル・マンでも同じくマテックのフォードGT1をドライブしていた。

ランボルギーニ・ウラカンGT3エボ2のコクピットに収まるロマン・グロージャン

■LMDh開発にグロージャンの豊富な経験が活きることを期待するランボルギーニ

 ランボルギーニ・モータースポーツのボスであるジョルジオ・サンナは、そんなグロージャンを迎えることを誇りに思っていると述べた。「スクアドラ・コルセの歴史の中で、新しくエキサイティングな時期にロマン・グロージャンをランボルギーニ・ファミリーに迎えることができ、とても光栄に思っている」と同氏。

「彼は長年にわたって、さまざまなカテゴリーで豊富な経験を積んできたドライバーであり、我々のGT3プログラムにも、より重要なLMDhマシンの開発にも大きな価値を与えることができるだろう」

「ロマンがデイトナのコースに出るのを楽しみにしており、パートナシップの始まりが成功することを願っている」

 フェラーリからランボルギーニ陣営に“鞍替え”したアイアン・リンクスのチーム代表であるアンドレア・ピッチーニは、「ロマンはチームにとって素晴らしい存在である」と付け加えた。

「2010年に我々が最後に一緒にレースをして以来、ロマンはF1とインディカーの両方で素晴らしい成績を収め、優れたドライバーであることを証明してきたし、つねに状況に応じて立ち上がる素晴らしいドライバーであることを示している」

「彼は生まれながらのレーサーであり、コース上で大胆な動きをすることを恐れない妥協のないドライバーで、最近のF1時代におけるもっとも偉大なタレントのひとりだ」

「私たちは、ロマンがシーズンを通して、すべての場所とポイントで激しいバトルを繰り広げることを期待している」

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