先週末、広島・北広島町でおいしいコメの日本一を競うコンテストが開かれました。中四国初というコメのコンテスト。町おこしとなったのでしょうか?
炊き上がったばかりのご飯を審査用の皿に盛り付けていきます。週末、北広島町で開かれたコメの全国コンテスト最終審査です。
出品した農家が見守る中、13人の審査員が自分の舌でコメを味わい、順位をつけます。
北広島町 宮崎英二さん
「そりゃ、もうグランプリがほしいですね。この辺の地域は応募しなくても、おいしいコメがかなりたくさんできとると思うんで」
その名も「第1回 全日本お米グランプリ」。北広島町やJAなどで作る実行委員会が開きました。会場には遠く東北や関東からも農家が集まりました。
茨城県から参加 寺門安男さん
― 北広島町のイメージは?
「北広島町は、今回の大会で初めて知ったんですね。全然、なくてね」
県内有数のコメどころ・北広島町ですが、全国的な知名度は、ほぼゼロです。そこで、主催者がアピールしたのが…。
組織委員長 北広島町 箕野博司 町長
「世界に誇れる稲作文化が息づくこの地でお米グランプリを開催できることは、全国のコメ生産者との交流の場の創出であると思っております」
町が誇る伝統芸能です。会場では、町内の神楽団による「八岐大蛇」や「壬生の花田植え」が上演されました。
出品されたコメは、全国から360点余り…。
これを食味計などによる2回の予備審査にかけ、町内枠を含む30点が最終審査に進出しました。
北広島町からは一般枠にも3点が入り、上位入賞への期待が高まりました。
柴田和広 記者
「こちらは、最終審査に残った町内産のコシヒカリと北海道・山形のおコメとの食べ比べのコーナーです」
ふだん、町内のコメを食べている来場者は、あらためて他県のコメとの違いを感じたようです。
来場者たち
「どれも違いますよね。何か甘味があったり、粒の大きさが違ったり」
「北広島町のおコメ、すごくおいしい。甘くておいしいです」
最終審査に残った地元のコメの1つが、「チームちよだろまん」のあきろまんです。JAと千代田地域の農家が組んで、県民米あきろまんの食味を上げようと研究中のコメです。上位入賞とはなりませんでしたが、農家は手応えを感じていました。
ファーム八重145 中森司 代表
「300何点のうちの30番に入ったということで、もっともっと改良を重ねていけば、あきろまんも全国に誇れるコメになるんじゃないかと手応えを感じています」
裏方としてコンテストを支えたのが、炊飯を担当した町内の女性会です。
この日、炊いたご飯は、釜にして43個分。コメ研ぎから配膳までスケジュール通りに行いました。
北広島町女性会 山本幸 会長
「女性会のパワーをアピールできたんじゃないかと思います。本日は、本当にお疲れさまでした」
結果発表です。グランプリに輝いたのは、町を挙げて良質米の生産に取り組む茨城県大子町の藤田久人さんが出品したコシヒカリでした。
会場が湧いたのは、準グランプリの発表でした。
会場アナウンス
「準グランプリ、隅田英治さまです。品種は、コシヒカリです」
北広島町のコメが入ったのです。
準グランプリ 北広島町 今吉田 隅田英治さん
「やっぱり地域を元気にする。これが、基本だと思っております。もし、そういうことが可能ならばですね、地域が1つになって、ブランド米にしていければと思います」
組織委員長の町長も興奮した様子でした。
北広島町 箕野博司 町長
「北広島町のかたが準グランプリということだったんで、自信にもなりますし、今度はみなさんももう少し上を目指そうという気合でですね、また来年もやってもらえるんじゃないかと」
コメのコンテストで町おこしを始めた北広島町…。早くも来年の開催に向け、意欲を燃やしていました。