グッドデザイン賞 岡山から6社 高い意匠性、斬新アイデア

 製品や建物、サービスなど幅広い分野の優れたデザインを評価、顕彰する「グッドデザイン賞」(日本デザイン振興会主催)の2022年度受賞作に、岡山県内から6社(共同受賞含む)の製品と運営施設が選ばれた。規格外の生地から開発した新素材や、アートとの出合いをコンセプトにした旅館…。各社の受賞作を写真で紹介する。

SINGS 敷布団に端材活用

 商品名は「5層構造ボリューム敷布団 スリープメンテ」。クッション性の異なる3種類のウレタンの端材を中材に使用し、敷布団の両面で硬さを変えている。

安田工業 縦型MC2機種

 対象となった「YBM640V」(左)と「YBM950V」。いずれも角に丸みを持たせたデザインや、操作パネルの可動域を広げて作業者が使いやすいよう改良した点が評価された。

植田板金店 CLT利用した小屋「木庵」

 小屋(7.2平方メートル)の内壁4面に地場メーカー製造のCLTパネルを使用。デザインは建築家の隈研吾氏が担っており、小規模店舗や事務所などの需要を見込む。

nottuo、A&C 香川・直島の旅館「ろ霞」

 アートとの出合いをコンセプトに4月に開業。全11の客室やレストラン、ラウンジに若手アーティストの作品を展示しているのが特徴。宿泊者と地域住民が交流できるスペースも設けている。

セイショク 新素材「ニューノス」

 ニューノスの生地。染めむらなどで規格外となった布を積み重ねて固め、スライスして製造する。積層時の生地の微妙なたわみによって独特の模様が現れる。ホテルの室内壁パネルなどに採用されている。

 このうち植田板金店は18年度以来2度目の受賞で、他の5社は初受賞。廃棄品に新たな価値を付けて別の製品に仕上げる「アップサイクル」の視点や、海外市場を意識した高い意匠性、斬新なアイデアなどがそれぞれ評価を受けた。

 グッドデザイン賞は通商産業省(現経済産業省)が、デザインを通じた生活の質向上を目的に1957年に創設した国内最大の総合的デザイン評価制度。22年度は応募のあった5715件から、1113社の1560件が選ばれた。

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