長崎大学病院、間違った歯を抜く医療事故 3年連続発生で診療停止

 長崎大学病院は6日、歯科診療で抜く予定ではなかった歯を誤って抜歯した医療事故が発生したと公表した。同様の事故が一昨年から連続して起きており、病院は事態を重く見て歯科診療部門を無期限で診療停止にした。

2020年より同様の事故が連続発生

 病院が記者会見で発表したところによると、事故発生は今年11月8日。患者の左側の上下の親知らずを抜くはずが、左右の下の親知らずを抜いてしまったという。施術後に患者から説明を求める連絡があって発覚し、執刀医が謝罪したとしている。

 実は同病院では2020年、21年にも同様の事故が起きており、患者と抜歯予定の歯を相互確認するなど再発防止策を講じていたが、徹底できていなかったことが発覚した。さらに、患者に謝罪した執刀医が上司らに報告を怠り、患者が投書して執刀医以外に事実が知られるまで何の対応もとられていなかったという。

 会見した澤瀬隆副病院長(歯科統括)は「患者さんからの声で初めて知った。医療安全上許しがたい」と報告がなされなかったことに対し怒りをあらわにしており、本質的な問題があるとして、問題を解決できる体制が整うまで歯科診療自体を無期限で停止すると発表した。早急に処置が必要な患者以外は、他の病院に紹介するなどの対応をとるという。

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