「おでん東大」店主殺害、自殺を偽装か 沖縄県警、容疑で娘夫婦を逮捕 被害者から多額の援助も

 今年8月、沖縄県那覇市安里の通称・栄町の人気飲食店「おでん東大」の店主の女性(58)=浦添市=が殺害された事件で、県警は6日、女性の首をひものような物で絞め付け殺害したとして、殺人容疑で無職の娘(34)=宜野湾市=と、その夫(34)=同、職業不詳=の娘夫婦2人を逮捕した。県警は捜査に支障があるとして、2人の認否を明らかにしていない。
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 県警によると、8月10日午後5時15分ごろ、同じ建物内にある店の倉庫で「人が倒れて亡くなっている」などと110番通報があった。死因は頸部(けいぶ)圧迫による窒息死だった。当初は事件と事故の両面で調べを進めていたが、現場の状況や周辺への聞き込みなどから娘夫婦が捜査線上に浮上した。
 任意で複数回聴取を行うなどした上で、夫婦による犯行と断定し、6日に宜野湾市の自宅や車を家宅捜索し、携帯電話などを押収。両容疑者は捜査員に連れられ、それぞれうつむきながら捜査車両に乗り込んだ。
 被害者の女性は通報があった前日午後まで、周囲の人たちと会話するなど生存が確認されていて、店は盆休み中だった。県警によると、娘夫婦は人のいない時間帯を狙って犯行に及び、自殺を偽装した可能性が高い。あらかじめ犯行の準備をするなど、計画性がうかがえることなどから夫婦の殺意が認められるという。女性の財布や貴重品などは店に置かれたままだったという。
 逮捕容疑は8月9日ごろ、那覇市のビル内で共謀の上、頸部を絞め付け殺害した疑い。
 関係者によると、容疑者は一人娘で、女性から寵愛(ちょうあい)されていたという。娘夫婦は女性から多額の金銭的な援助を受けていて、収入に見合わない生活ぶりにも見えたという。
 県警は6日、那覇署に幸喜一史刑事部長を長とする捜査員110人体制の特別捜査本部を設置し、事件の全容解明に向け捜査を進めている。
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