全国大会冬の陣(2) バスケットボール男子 スタイル一新、粘りの守備で別府溝部学園がベスト8を狙う 【大分県】

2年連続で全国高校バスケットボール選手権大会(ウインターカップ)の出場を決めた男子の別府溝部学園。県予選は強化中の守備が機能した。キャプテンの後藤有輝(3年)は「粘り強くディフェンスをしたことで、自分たちに流れを持ってくることができた」と胸を張る。前半は3点差のリードを許したが、第3クオーターで強度の高い守備をオールコートで仕掛けて逆転してからは、一気に点差を広げて勝負を決めた。

4月から指導陣が一新され、チームの方向性もガラリと変わった。攻守の入れ替わりの速い、ハイテンポのスタイルは攻撃的だったが、失点も多かった。伊藤滋監督は「全国で勝つためには『スランプのない守備』が必要。そのためには基礎からやり直す必要がある」と選手に説明した。当初は反発もあったが後藤や石橋健人ら3年生の主軸が指導陣と話し合いを重ね、目指すスタイルを確立した。

守備強化を図った別府溝部学園

6月の県高校総体では結果が出なかったが、釜坂遼アシスタントコーチ(AC)は「キツいこと、やりたくないことが当たり前にできるようにならなければ基礎ができたとは言えない」と粘り強く指導し、選手も基礎の重要さを学び、徐々に守備から試合をつくるスタイルへと変わった。ボール保持者に対してプレッシャーを与え、例え抜かれたとしても次の選手がカバーする。簡単にシュートを打たせぬようにボールを持たせず、例え打たれたとしてもスクリーンアウトをしてリバウンドを取らせない。当たり前のことを当たり前にできるようになると、「キツかったディフェンスが楽しくなった」(後藤)。

粘りの指導が粘りの守備に結びつくまで時間を要したが、全国で戦える土台ができた。釜坂ACは「発展途上だがウインターカップまで3週間弱、気持ちよくプレーできるように整理したい」と話す。今大会を最後に競技から第一線を退く後藤は「1対1の部分でプレッシャーを与え続け、自分たちのバスケをしてベスト8以上を狙いたい」と意気込みを語った。

ウインターカップ初戦は24日、東京体育館で長野県代表の東海大学付属諏訪と対戦する。

闘志溢れるプレーでチームを引っ張る後藤有輝(中央)

(柚野真也)

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