堂安律選手の活躍に元コーチ歓喜「強気なプレー当時のまま」 福井の指揮官が語るジュニアユース時代のW杯日本代表

堂安選手のW杯での活躍を喜ぶ福井工業大学附属福井高サッカー部の入江監督=12月6日、福井県の同校

 福井県の福井工業大学附属福井高校サッカー部監督の入江寛さん(49)は、サッカー日本代表の堂安律選手(24)が中学生のときに所属していたガンバ大阪ジュニアユースでコーチを務めていた。ワールドカップ(W杯)ベスト8の目標達成はならなかったが、強豪のドイツ、スペインから奪った堂安選手の強烈なゴールを「強気なプレースタイルは当時のまま」と語り、世界を相手に一歩も引かなかった教え子の活躍を喜んだ。

 京都府出身の入江さんは大阪体育大を卒業後、サッカー指導者の道を選んだ。初めてガ大阪ジュニアユースのコーチに就任したとき、中学2年生の堂安選手に出会った。「身体が強く、ドリブルで強引に突破してからのシュート。すぐに能力の高さは分かった」。

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 今回のスペイン戦で堂安選手が強烈なミドルシュートを決めた瞬間、中学時代の姿が脳裏によみがえった。「当時も同じようなシュートをよく決めていた。プレーの力強さや精度はもちろん成長しているが、ボールタッチの微妙なタイミングやプレーの雰囲気は何も変わっていない」。

 ガ大阪ジュニアユース出身者では、宇佐美貴史選手、家長昭博選手らが群を抜く存在で「天才」と評された一方、堂安選手の評価はそこまで高くなかったという。それでもチームの首脳陣に対し、堂安選手は中学生ながらも物おじせず、堂々とサッカーに関する自分の考えをぶつけていた。入江さんは「技術以上に、そのメンタルの強さに大きな可能性を感じていた。W杯のプレーからも多くの人に伝わったと思う」と語る。

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 練習や試合が終わっても四六時中、プレーのことだけを考えていた「サッカー大好き少年」は、日本を代表するアタッカーとして世界に鮮烈な印象を残した。常に「勝ちたい」という気持ちでサッカーに向き合う堂安選手の姿勢を、現在の教え子たちに伝えている入江さん。「律はきっともう次の目標に向かっているはず。見てる人をわくわくさせる選手として、さらに大きくなってほしい」と福井からエールを送っている。

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