東京都の行動制限ない「アクティブな冬」のためには?

東京都内で12月6日に新たに確認された新型コロナウイルスの感染者は1万5501人でした。病床使用率も50%に近づいてきています。そして、同時流行が懸念されるインフルエンザの報告数は減少に転じましたが、去年より高い水準で推移しています。

今年も新型コロナの感染が収まらない中で迎える年末年始に向けて、東京都は新たにオンライン診療を拡充する方針を示しました。臨時の「オンライン発熱診療センター」は12月12日午前9時から受け付け開始です。対象は、自宅療養を推奨されている東京都内に住む、基礎疾患のない13歳から64歳の人です。都が行うオンライン診療はこれまで、コロナの自己検査が陽性で、陽性者登録センターに登録しないと利用できませんでした。今後は発熱の症状があって自己検査をした時点で利用できるようになります。このオンライン診療の拡充で、年末年始に発熱外来が減る時の対応を強化するほか、かかりつけ医のいない人の受け皿としても活躍しそうです。

一方、こうした対応と同時に東京都の小池知事は「この冬は感染拡大防止のための行動制限を行わない。『アクティブな冬』を過ごしてほしい」と都民に呼びかけています。そのために"攻め”と"守り”と"備え”3つのポイントを挙げています。忘年会の中止要請はせず、会食の際は東京都のレインボーステッカーの左上に「令和4年」を意味する「R4」とある、今年点検を受け直しているお店を選んでほしいと呼びかけています。

そして、アクティブな冬を過ごすための参考となるような情報も発信しています。12月1日の東京都モニタリング会議で提出された、スーパーコンピューター「富岳」によるさまざまなシミュレーション結果を見てみると、小型の飲食店では換気扇やエアコンを稼働させて対策をしていれば、全員マスクをしていなくても感染リスクを3分の1程度に抑えられるということです。また、大規模な宴会場でも換気が行われていれば、リスクの範囲は感染者のテーブルの周囲にとどまるという結果が出ています。さらに、観光バスなど長時間に及ぶ接触と会話が伴う場合は、マスクの着用が感染予防に有効だと分析されています。

東京都の今後の政策のかじ取りにも注目ですが、行動制限のないこの冬、私たち一人一人もこれまでの経験を生かした感染対策をしていくことが求められます。

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