赤ちゃんの昼寝が短くても一日に十分な時間をとっていれば問題ない理由とは?【賢い子は1歳までの眠りで決まる】

短い昼寝でも1日に十分な時間をとっていれば問題ありません

新生児の昼寝は短いのが普通で、生後3か月以上の赤ちゃんは夕方の昼寝が30分程度です。次第に、少なくとも1日1回は長い昼寝をするようになるので、生まれたばかりの赤ちゃんが少しずつしか眠らなくても、ほかに睡眠について気になることがなければ心配はいりません。ただし、次のふたつのことに気をつけてください。ひとつは、赤ちゃんが目を覚ましたと思っても、すぐに抱きあげないことです。ちょっと待ってみましょう。

新生児の睡眠は、脳がとても活発に働いていて、起きているときと似たレム睡眠の割合が多く、本当に眠っているわけではないけれど、起きているわけでもないという状態にあります。よって、たとえ起きていたとしても、そっとしておけば、またひとりで眠りにつく可能性があるのです。もうひとつは、NAPSメソッドを使って、合計すれば1日で十分な睡眠がとれているようにすることです。

そうすれば1日に数回昼寝をするようになります。この月齢ならそれで十分です。昼寝の時間を長くしようと、無理に回数を減らそうとしてはいけません。自然のリズムにしたがえば、赤ちゃんは自分で眠っている時間をのばすことができます。また、短い昼寝から目覚て泣きだしたら、もう一度寝かしつけてみてください。もっと寝ていたかったのに目が覚めてしまって泣いている場合があります。にこにこしながら遊びたがっているときよりも、泣きながら目を覚ましたときのほうが、また寝かせられることが多いのです。赤ちゃんが生後6か月以上になっても、まだとても短い昼寝しかしない場合は、ふたつのひとり寝のテクニック(167 〜172ページ)のどちらかを使って昼寝の時間をのばしてみましょう。

睡眠を専門とするプロフェッショナルが考案した賢い子を育てる新メソッドとは?

子どもを賢く、強く育てたい人にオススメの一冊。本書で提案するのは「NAPSメソッド」という、全米各地での講演と実践を重ねた方法論です。著者は長年研究機関に身を置く、睡眠を専門とする神経科学者「ポリー・ムーア」。
ムーア博士は、脳の眠りのメカニズムをはじめ、脳細胞や睡眠障害の治療法など、脳を熟知した専門家であり、睡眠に対する強い関心とすべての患者の睡眠を改善しようとする熱意はこの上なく、多くの支持を集めています。

この本のなかでポリー・ムーア博士は、小さな子どもの夜泣きの原因が不十分な睡眠にあることを解き明かし、赤ちゃんの睡眠が認知力や情緒的発達の要であることを説いて、自然によく眠れるようになる「NAPS(昼寝)メソッド」を紹介しています。

NAPSメソッドを使えば、赤ちゃんに自然に眠る準備が整い、認知力や情緒的発達に必要な睡眠を十分にとれるようになります。

過剰な知育はむしろマイナス! 良質な睡眠が学習能力を決定づける!

過剰な知育はむしろ子どもにとってマイナスとなりうることをご存じですか。睡眠が十分でない子どもは、成長するにつれADHDなど重大な問題に見舞われることも。

赤ちゃんにとってみれば、世界全体が未知のものであふれています。特別なことをしなくても、たくさんのことを学ぶことができます。

自分の手足を眺めたり、家族の声を聞いたり、安全で単純なおもちゃや身のまわりの日用品で遊んだり、キッチンからただよう夕食の香りをかいだりするだけでも、そこには学びがあります。そうです、赤ちゃんの脳に必要なのはいうまでもなく良質で十分な睡眠です。できるだけたくさん寝かせてあげましょう。

ぐっすり眠ることで、赤ちゃんの脳は新しく得た情報を処理し、記憶し、すでに得ているほかの情報と組みあわせることができるようになります。
睡眠は、赤ちゃんが自分にとって新しい経験がどんな意味を持つのかを理解して、知識として定着させるのを助けるのです。赤ちゃんには凝った仕掛けのあるおもちゃや知育レッスンなど、過剰な刺激を与える必要はありません。

成績だけじゃない?集中力や注意力のある子どもに育てる方法とは?

長いあいだ昼寝をさせてもらえなかった赤ちゃんは、睡眠と覚醒のリズムの波がなくなってしまい、寝ているときも起きているときも同じような状態になり、どっちつかずのまま、きちんとものごとに集中したり、周囲に注意を払えなくなります。
そして眠りのサインもはっきりしなくなってくるので、親は寝かせる必要がないとつい思い込んでしまいます。

しかし、そうなってしまっても、昼寝の習慣はとり戻せるので安心してください。NAPSメソッドを実践してよい睡眠習慣と集中力や注意力が身につくようにしましょう。
数日家にいて、NAPSメソッドをきちんと使えば、赤ちゃん独特の眠りのサインがわかるようになります。そして、まわりの刺激に触れさせないようにして、眠りにつくのを手伝うとよいでしょう。

集中力や注意力のある子どもに育てるためにも、昼寝は必要です

つらい「夜泣き」もなくせる「NAPSメソッド」とは?

赤ちゃんはおなかがすくだけでなく、神経系が未発達なために泣くのです。
かすかな覚醒状態にあるとき神経学的システムチェックが行われ、不均衡が生じてうっすら目が覚めてしまい、なんとか睡眠状態に戻りたくて、助けを求めて泣くのです。

昼寝を十分していない赤ちゃんの場合、さらにやっかいです。昼寝で発散されるべきエネルギーがたまったままなので、神経系がよけいにイライラしやすく、不安定な状態だからです。
夜中に目覚める回数やしっかり起きてしまう場合がより多くなるもこのためです。

NAPSメソッドはN・A・P・Sの4ステップにわかれており、どの段階も簡単で、赤ちゃんによい眠りを提供できます

NAPSメソッドの効果は、実際に試して赤ちゃんが日中によく寝ると機嫌がよく、夜もさらによく眠ることを発見するまで理解できない人もいます。
まずは試してみることです。赤ちゃんは自然に眠って目覚め、十分に休めていることでしょう。

メソッドは大変簡単で、たった4つのステップがあるだけ、子どもの睡眠を記録するだけ。イレギュラーな例にも丁寧に回答しています。

本書はそのNAPSメソッドを1からご紹介。生涯にわたって重要となる集中力、情緒の安定、コミュニケーション能力ものばす、本当に優秀な子を育てる育児を学んでみませんか?

【書誌情報】 『賢い子は1歳までの眠りで決まる』 ポリー・ムーア 著

睡眠を専門とするプロフェッショナルが考案、自分の子どもで実践し、さらに全米で実績を積んできた「NAPSメソッド」。これによって、子どもに良質な睡眠を与え、夜泣きを改善し、乳児期に学習能力を飛躍的に発達させることができます。メソッドの方法は非常に簡単で、子どもの睡眠を記録するだけというもの。生涯にわたって重要となる集中力、情緒の安定、コミュニケーション能力ものばす、本当に優秀な子を育てる育児書。子どもの睡眠障害を防ぐこともできます。

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