「当分修繕工事は難しい」スプリンクラー事故で“水浸し”の大ホール 事故調査のため“現場保存”で使えず=静岡・裾野市

スプリンクラー事故の発生以降、使用できない状態が続いている静岡県裾野市の裾野市民文化センター大ホールについて、裾野市は市議会の場で、「当分の間は、修繕工事は難しい」という考えを示しました。事故調査のための現場保存の観点から当面、使用できない見込みです。

<裾野市議会 加茂博美議員>

「市民活動の場が確保できない、制限されている現在の状況を心配している」

12月7日に開かれた裾野市議会。市議が「市民活動の場が制限されている」と投げかけたのは、市民文化センターのホールが使えない状況についてです。

2022年9月、裾野市民文化センターで突然、舞台天井のスプリンクラーが作動し、コンサート直前の楽団が被害を受けました。楽団側によると、5人がけがをし、楽器100点以上が破損。楽器の中には修理に100万円以上かかるものがあると訴えています。また、裾野市も、音響機器など1億5900万円もの被害が出たとしています。

事故を受け、裾野市は事故調査委員会を立ち上げ、スプリンクラーに故障などがなかったか設備の検証を始め、大ホールは現在も使用できない状態が続いています。

7日の市議会では、市議から「市民活動の場が制限されている現状が心配」といった質問が投げかけられました。

<裾野市 勝又明彦教育部長>

「事故調査委で原因究明に向けて調査が始まることを鑑み、大ホールについては、現場保存という点で当分の間、修繕工事は難しいと考えております」

<裾野市 村田悠市長>

「(今後の方針について)何もしていないわけではない。保全が終わってから検討を始めるのではなく、平行してどのような方策でやっていけば再開ができるか、施設の方向性を並行し検討しているところ」

スプリンクラー事故は、機械の故障なのか、何者かによる犯行なのか、裾野市の事故調査委と警察による捜査が続きます。

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