虐待があった静岡県裾野市の保育園、別の職員は行為を見て見ぬふりをしていたといいます。元保育士3人が逮捕された事件、保育園の会議で配られた資料によりますと、日常的に暴言を吐いていたことなどが新たに分かりました。
<裾野市 村田悠市長>
「しっかりと検証していって、再発防止に努めていかなければならないと感じています。許されることではありませんから」
裾野市の村田悠市長が許されないと語るのは、「さくら保育園」の内部資料の内容です。
「園児が水や牛乳を飲まないなどの理由で日常的に怒鳴りつけたり、暴言を吐いたりする行為が多々見られたり、別の職員も虐待行為を見て見ぬふりをする場面があった」
さくら保育園の職員会議で配られた資料で、裾野市が新たに公表したものです。
「さくら保育園」では、1歳児クラスの園児に対し、顔を押す、宙づりにするなどの暴行を加えた疑いで、当時の女性保育士3人が逮捕されています。
園児の受け入れ再開から2日目を迎えた12月7日、登園する園児の姿がみられました。虐待事件を受けての混乱などに配慮し、裾野市は希望があれば、一時的な転園を8日から受け入れます。7日が締め切りとなっていて、一時転園の申し込みは1件だったということです。
事件を受けて、園児を虐待から守る動きが進んでいます。
<小山町 大森康弘副町長>
「国においても、緊急で調査をする動きを聞いておりますが、我々自身も自らの出来事として捉えて、保育の在り方を見つめ直す必要があるという風に考えております」
小山町役場に集まったのは、町内にある6つの園の園長です。教育委員会は各施設において、毎年行われている静岡県の指導監査の項目を再確認し、職員の教育を行うよう呼びかけました。
<小山町教育委員会 こども未来課 坂本竹人課長>
「報道があってすぐに、こういった事案についてのお話し合いをしてもらったこと、園内で職員間の風通しの良い環境をつくることについて対応してもらっている」
保育現場では人出不足が深刻で、出席した園長は園児を守るためには行政との連携が欠かせないと語ります。
<きたごう こども園 齋藤美栄園長>
「保育と同時に事務というのも大きくあるものですから、その時間を確保するのがなかなか難しいということで、行政の方、教育委員会の方とも協力しながら、ICT化を進めたり、そんな試みをしている最中です」
絶対にあってはならない虐待事件を防ぐため、それぞれの保育園で環境を見つめ直す動きが求められます。