休眠預金で子ども支援 「未来基金ながさき」資金分配団体に内定

 市民の寄付によるコミュニティー財団「一般財団法人未来基金ながさき」(山本倫子理事長)は7日、休眠預金の資金分配団体に内定したと発表した。今後、公募で助成先を選び、交通インフラが弱い離島や過疎地の子どもたちの文化活動を支援していく。助成事業の開始は来春を見込み、助成予定額は3年間で1億3800万円。
 年明け以降、地域課題の解決に意欲的な県内の企業やNPO法人、地域団体などを対象に公募を開始し、3~5団体を選定予定。
 休眠預金は10年以上出し入れのない金融機関の預金で、2019年度に民間の公益活動に充てる制度が開始。同財団は20年度に佐賀県の団体と共同で資金分配団体に選ばれたが、今回は対馬、雲仙両市の社会福祉協議会とコンソーシアムを構成して、本県単独で初めて採択された。
 7日に県庁で会見した山本理事長は、離島などは人口減に伴い地域のバス路線がなくなるなどし、部活動に参加したくても距離や時間的な制限で諦めている子どもたちがいると説明。文化部に対する行政の支援は少ないと指摘し、「はざまの支援」として今回は文化と交通を組み合わせた事業を助成対象とした。
 例えば、行政が運行するコミュニティーバスの運行範囲や時間帯を部活動の終了時間に合わせて拡充したり、プロの指導を受ける機会を創出したりする取り組みなどを想定している。3年の助成期間後も持続できる体制を構築するため、財団や社協が資金面以外も伴走型で支援していく。
 山本理事長は「どこに住んでいても子どもたちが平等に夢を描けるようになってほしい」と語った。


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