“1500回”抗議座り込み 「私たちは 負けない!」 石木ダム付け替え道路工事 

「私たちは負けない」と書いた横断幕などを掲げる住民ら=川棚町石木郷

 長崎県と佐世保市が東彼川棚町に計画する石木ダム建設事業を巡り、反対住民らが付け替え県道工事現場で続ける抗議の座り込みが7日、1500回に達した。
 同現場での座り込みは2010年3月から断続的に実施。住民によると、1500回は、阻止行動を受け一時中断していた工事を再開すると県側から伝えられた16年7月以降の「第4期」の回数で、実数はこれを上回る。現在は月―金曜の日中に続けている。
 7日は、住民や支援者ら約30人が集まり、ダム事業への疑問や抗議を示した「千誤百戒(せんごひゃくかい)」「私たちは負けない」などと書いた段ボールと横断幕を掲げた。
 住民の岩下すみ子さん(74)は座り込みを始めたころの写真を活動日誌に挟んでいる。12年余りの時が流れ、「(水没予定地の川原地区を)守る一心で一緒に闘ってきたおばあちゃんも亡くなった」と思い返しつつ、「ここに集まることが(抗議を続ける)力になっている」と語った。
 県はダム本体も含め25年度の完成を目指している。付け替え県道は計画した全長約3.1キロのうち1.6キロで工事が進むが、住民の座り込み場所付近では止まっている。


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