カージナルスが正捕手を確保 コントレラスと5年8750万ドルで合意

19年間チーム一筋でプレーし、ワールドシリーズ制覇2度、ゴールドグラブ賞9度、プラチナグラブ賞4度などの輝かしい実績を残した名捕手ヤディアー・モリーナが今季限りで引退したカージナルスは、今オフ正捕手の確保が急務となっていた。トレードとFAの両面で実力派捕手の獲得を狙っていたが、ウィンター・ミーティング最終日を迎えた日本時間12月8日、その補強が完了。メジャーリーグ公式サイトのマーク・フェインサンド記者が関係者から得た情報によると、カブスからFAとなったウィルソン・コントレラスと5年8750万ドルで合意したようだ。

現在30歳のコントレラスはベネズエラ出身で、カージナルスのライバル球団であるカブスの正捕手として活躍してきた。2016年にワールドシリーズ制覇を経験し、今季を含めてオールスター・ゲームに3度選出。特に今季はブレーブスに在籍する弟ウィリアムとともに球宴選出を果たした。今季の成績は、カブスで113試合に出場して打率.243、22本塁打、55打点、4盗塁、OPS.815。メジャー7年間で20本塁打以上とOPS.800以上を各4度記録するなど、捕手としてはトップクラスの打撃力を誇っている。

5年8750万ドルという契約は、カージナルス在籍経験がない選手が得たものとしては史上最高。同じくカブスからFAとなったデクスター・ファウラーが2016年オフに得た5年8250万ドルを上回った。モリーナ以前もマイク・マシーニー、トム・パグノージ、トニー・ペーニャといった守備型の選手が正捕手を務めてきただけに、打撃優先のコントレラスの守備面には不安が残るものの、オリバー・マーモル監督が「彼は勝つことが大好きなんだ」と語っているように、勝利への強い執念という部分も高く評価されたようだ。

カージナルスがモリーナの後釜としてコントレラスを選択したのは、単なる「正捕手」だけでなく、ポール・ゴールドシュミットとノーラン・アレナドの両主砲を支える「援護砲」としての役割も期待しているからだろう。おそらく「5番・捕手」での起用がメインになると思われるコントレラス。それはつまり、今季限りで引退したモリーナとアルバート・プホルスという両レジェンドが担っていた役割を1人で担うことになる。カージナルス新時代を牽引する主力の1人として、期待は極めて大きい。

© MLB Advanced Media, LP.