埼玉66年ぶり「全国植樹祭」開催地に正式決定 秩父で25年春 これからが本番、天皇皇后両陛下も出席へ

2025年春の「第75回全国植樹祭」開催地に決定した秩父ミューズパーク=7日

 全国植樹祭に関わる国土緑化推進機構と埼玉県との協議会が7日に開かれ、秩父ミューズパーク(埼玉県秩父市、小鹿野町)が、2025年春に行われる「第75回全国植樹祭」の開催地に正式決定した。県内では1959年に寄居町金尾山で行われた「第10回」以来、66年ぶり2回目の開催となる。開催に向けた基本・実施計画は今後、知事を会長とする実行委員会で策定し、地元市町などと連携して準備を進める。

 秩父ミューズパークは、同市と小鹿野町にまたがる271.3ヘクタールの自然豊かな丘陵に、音楽堂・野外ステージなど多彩な芸術文化施設が備わる。天皇皇后両陛下が93年5月に県内訪問した際、同パークを視察に訪れている。

 昨年8月、第75回植樹祭の開催地が埼玉県内に内定したことを受け、秩父地域1市4町は、各首長や議長、林業、観光業団体、県議ら約50人で構成する「秩父地域誘致推進委員会」を設置。定期的に会合を開いたほか、首長や県議が県庁などに出向き要望書を提出するなど、積極的に誘致活動を行ってきた。

 県は今年5月に開いた準備委員会で、県内候補地4カ所の中から秩父ミューズパークを選定。今月7日に大野元裕知事と国土緑化推進機構が最終協議を行い、秩父ミューズパークでの植樹祭開催が正式に決まった。

 7日に会見した秩父市の北堀篤市長は「天皇、皇后両陛下がお見えになる四大行幸啓の一つである植樹祭を、秩父で開催できることを大変光栄に思う」と喜びの声を上げた。

 秩父地域誘致推進委員会は今後、新たなプロジェクト委員会を設置し、2025年4~6月ごろの開催に向けて準備を進めていく。北堀市長は「これからが本番。県代表として恥じることのないよう、秩父地域1市4町が一丸となり、森林を守っていくことの大切さを全国に広めていく」と語った。

 大野元裕知事はさいたま市浦和区で会見し「秩父地域は県の森林の6割以上が所在し、林業が盛ん。秩父ミューズパークは十分な広さがあり、運営上の要求を満たしている」と説明。「植樹祭を契機として自然や林業を一体として盛り上げられるよう努力していきたい」と期待を示した。

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