ミドルシニア層のキャリアチェンジを視野に入れた行動「特に何もしていない」が75%!

一般社団法人 定年後研究所が報告書「大企業における中高年社員のキャリア自律に向けた現状と課題」を発行

2022年12月7日
www.teinengo-lab.or.jp

一般社団法人 定年後研究所(東京都港区、所長:池口武志)は、今年8月に大企業会社員約1200名(男女22~69歳)を対象に就業価値観に関するアンケ―ト調査を実施致しました。これまで「大企業50代以上社員のキャリア自律や就業価値観」に焦点をあてたアンケート調査は例が少なく、大変興味深い結果が得られています。
今回3冊目の発行となる「報告書」では、上記アンケート調査に加え、大企業15社の企業人事担当者に、今年度上半期実施の「キャリア自律」に向けた取組実態ヒアリング結果も掲載しております。(当「報告書」をご要望される方は、定年後研究所HP「お問合わせ」機能よりご連絡をお願い致します。)

アンケート調査結果のポイント

■労働移動円滑化に向けた政府協議が加速する中で、足元の従業員意識では、キャリアチェンジを視野に入れた行動※は、50~60代では 75%は何も行動せず。予想に反し、若年世代でも「何も行動せず」が多数派を占める。
(※キャリアチェンジを視野に入れた行動=転職サイト・副業斡旋サイト等への登録、ボランティア活動、転職・独立を目的とした学び等)
■また、官民あげてリスキリングへの投資が叫ばれる中で、50~60代は4割が「学び直し」をしていない。若年世代でも、35~40%近くが「学び直し」をせず。
■50~60代では、70歳迄に「転職したい」「起業したい」は少数派で、「今の会社(含むグループ)で働き続けたい」が3分の2と保守志向が鮮明に。一方で、20代では「定年後は働きたくない」が3分の2に達する。
■ かねてより、セルフキャリアドックが社員・企業双方の努力義務となっている中で、キャリア自律意識の高低は、年齢や業種ではなく、「やりがい」「組織への貢献感」など、日常の仕事上の経験に大きく左右される。キャリア自律意識の高い層は、50~60代であっても、大半が「能力・スキル」に自信を持ち、「学び直し」に励み、 会社には「成長機会」を求め、「難易度の高い仕事」を志向。一方で、意識の低い層は、それとは対照的な結果。
■ 従って、企業は50~60代社員に対しても、やりがいの高い職務を付与し、組織として、そのことを共有・評価することがキャリア自律の促進や、企業競争力の向上に繋がるのではないか。また、国や産業界は、「学び直し」や「リスキリング」がキャリアチェンジ行動に繋がるという、動機付けやサポートの仕組み作りが必要。

当アンケート調査の目的・概要

・70歳迄の就業機会確保やVUCA時代の中で、大企業では「キャリア自律」を促進する動きが加速化しつつあります。ただ、長年の「受け身のキャリア形成」に馴染んできた中高年社員にとって、「キャリア自律」は難易度の高い意識変革と言われています。
・ そこで、キャリア自律意識の高低を左右する要因はどこにあるのか、多岐にわたる就業価値観に関する設問を通じて、その分岐点、企業として押すべきボタンを明らかにすることを目的に今回、アンケートを実施致しました。

◆今回の調査概要
時期: 2022年4~8月
対象:<個人> 都市部(関東・関西・中部) 男女22~69歳 従業員1000名以上企業勤務の社員1283名へのインターネット調査
<企業> 大企業15社の人事担当者 (人事企画、人事運用、人材開発、キャリア支援等各領域)(企業名非公表)

定年後研究所の主な取組み (ご参考)

・中高年社員向け啓蒙活動「定年NEXT(廣済堂出版)」「人生の頂点は定年後(青春出版社)」の発刊
・企業・団体向けキャリア研修プログラムの開発 「キャリア羅針盤(eラーニング)」の総合監修 等