アウディ、本国にて630PSに達した『RS6アバント/RS7スポーツバック』進化版“performance”導入

 初代『RS 6 Avant(RS6アバント)』の時代から連綿と続く“plus”の系譜を組む伝統の高性能モデル“performance”が、ドイツ本国で現行『RS6アバント』と『RS 7 Sportback(RS7スポーツバック)』に追加設定され、12月8日より販売開始に。価格や時期は未定ながら日本への導入も見込まれている。

 初代は999台のリミテッドエディションとして最高出力を30PS引き上げた480PSに、同500台限定の2代目はベースモデル同様の580PSに留められたものの、最高速度は303km/hに“制限”する性能を発揮。そして3代目ではplusからperformanceへと改称され、出力はベースモデルから45PS強化されて605PSとするなど、アウディの高性能部門であるアウディスポーツGmbHは一貫して高性能スポーツワゴンを世に送り出してきた。

 その流れを組む今回の『アウディRS6アバント・パフォーマンス』と『RS7スポーツバック・パフォーマンス』は、エクステリアデザインをさらにシャープに研ぎ澄ました上で、搭載する4.0リッターのV8ツインターボTFSIエンジンのターボチャージャーを大型化。ブースト圧も2.4barから2.6barに引き上げたことにより、最高出力で30PS、最大トルクも50Nmの増強に成功し、最終的なアウトプットは600PSから630PSに、最大トルクも800Nmから850Nmに強化されている。

 その上で、エンジンルーム、インテリア、車両後部の断熱材を削減することで8kgの軽量化を達成。空車重量で前車が2090kg、後車が2065kgとした。

 トランスミッションにはシフトタイミングをさらに短縮した8速ティプトロニックを組み合わせ、より軽量でコンパクトになったセルフロッキング機構を持つ機械式センターデフのフルタイム4輪駆動“quattro”は前後40:60のトルク配分とし、スリップ時にはより多くの駆動トルクを自動的に配分。フロントで最大70%、リヤは最大85%とすることで、ハンドリングの限界付近におけるアンダーステアの傾向が抑制され、より正確なコーナリング性能を実現している。

ボディカラーにも、初となるメタリックおよびマット仕上げのアスカリブルー、マット仕上げのデューシルバーが設定された
最終的なアウトプットは600PSから630PSに、最大トルクも800Nmから850Nmに強化されている
インテリアでは、おなじみのグレイとレッドのRSデザインパッケージに加えて、ブルーも追加設定される

■専用ドライビングモードの採用で、よりエモーショナルな走りを実現

 脚元で標準装備となる21インチ鋳造アルミホイールと273/35タイヤに加え、22インチの軽量ホイールも用意され、モータースポーツからヒントを得た鍛造フライス加工で製造された5-Yスポークデザインは、ベースモデル比で1本あたり5kgも軽量化を果たした。バネ下重量で合計10kgの削減を達成し、100km/hからのフル制動時には最大2mほど制動距離が短縮されるという。

 さらに車両の特性を変化させることが可能な“アウディ・ドライブセレクト・ダイナミックハンドリングシステム”にも専用のドライビングモードが採用され、コースティング機能はエフィシェンシーモードでのみ作動。Sモードを選択している場合にはサスペンションがより引き締められ、よりエモーショナルな走りがもたらされる。

 また、最高速度設定280km/hへの引き上げや、RS専用ソフトウェアにより前後のステアリング修正を積極的に行い、ドライバーをサポートするダイナミックオールホイールステアリング、そしてリヤアクスルのquattroスポーツディファレンシャルを含む“RSダイナミック・パッケージ”も標準装備に。

 その上で“RSダイナミック・パッケージplus”もオプション設定され、最高速度は305km/hにさらに引き上げ、キャリパーはグレー、レッド、ブルーから選択可能なRSセラミックブレーキシステムが装備される。そのディスク径もフロントが440mm、リヤが370mmとし、スチール製ディスクと比較して約34kgもの軽量化が達成される。

 インテリアの機能面でも、標準装備される12.3インチのアウディバーチャルコックピットプラスのディスプレイには、マニュアルトランスミッションモードを選択すると、グリーン/イエロー/レッドの順に点滅するシフトインジケーターなどの新しい機能や、ローンチコントロール機能も搭載されている。

グリーン/イエロー/レッドの順に点滅するシフトインジケーターなどの新しい機能や、ローンチコントロール機能も搭載されている
エンジンルーム、インテリア、車両後部の断熱材を削減することで8kgの軽量化を達成。『RS 7 Sportback performance』の空車重量は2065kgとしている
本国では12月8日より販売が開始となり、価格や時期は未定ながら日本への導入も見込まれている

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