
神奈川県内唯一の活火山・箱根山(箱根町)の大涌谷自然研究路で8日、小規模噴火を想定した救助訓練が行われた。県警、消防、自衛隊などが連携し、けが人の捜索や搬送の手順などを確かめた。
火山地帯特有の植生や景観を楽しめる研究路は観測史上初の噴火に至った2015年の火山活動で閉鎖されたが、活動の沈静化を受けて今年3月から団体での引率入場が再開している。観光客らの入場中に突発的な噴火が起きる恐れもあることから、この日の訓練では、入場客3人が足などを負傷し、逃げ遅れた事態を想定した。
県警や消防などの部隊が別々のルートから研究路内を捜索し、負傷者を担架で運び出した。ドローンを飛ばし、上空から行方不明者の捜索も行った。
箱根町の菊島信洋危機管理官は「噴火時は救助活動の難航が想定される」とした上で、「発生直後の情報収集や救助部隊の安全管理」を課題に挙げた。
箱根山の噴火警戒レベルは最低の1(活火山であることに留意)だが、大涌谷では活発な噴気活動が続いており、気象庁は火山灰などの突発的な噴出に注意を呼びかけている。