板橋県議の政活費「違法」と監査請求 旧統一教会との関連指摘

板橋一好県議

 板橋一好(いたばしかずよし)県議が2021年度に支出した政務活動費(政活費)の一部が、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)に関連する内容で違法だとして、市民オンブズパーソン栃木は8日、県監査委員に住民監査請求した。関連団体の行事に3度参加した際のガソリン代計3441円について、福田富一(ふくだとみかず)知事が会派「とちぎ自民党議員会」に返還を請求する勧告を求めている。

 パーソン栃木によると、板橋氏は21年4月に教団と関連が深いとされる世界日報関係の講演会に出席。7月に2回、宇都宮と小山市で開催された天宙平和連合の自転車イベントに参加し、いずれもガソリン代を政活費から支出した。

 政活費の使途基準を記した県議会のマニュアルには、支出には社会通念上の妥当性が求められ、私的経費は認められないとなっている。板橋氏の支出は両方に違反し、政活費の充当は違法、不当だとしている。

 代表の高橋信正(たかはしのぶまさ)弁護士は「金額の問題ではなく内容が極めて重大で、とんでもない支出」、秋元照夫(あきもとてるお)事務局長は「本来なら議会が自ら襟を正すべきだ」とした。

 板橋氏は下野新聞社の取材に「平和を求める民間の活動に賛同し、その趣旨を県政に反映させる意味で当時は政務活動と捉えていた」と正当性を主張。一方、「監査委員の判断が出れば従いたい」と述べた。

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