吉田正尚少年、卒業アルバムに「将来の夢は大リーガー」 レッドソックス入りで目標現実に

11月のオリックスのファン感謝イベントで笑顔を見せる吉田正尚=大阪府大阪市の京セラドーム大阪

 「将来の夢は、大リーガー」―。2006年春、福井県福井市の麻生津小学校を巣立った吉田正尚少年は、卒業アルバムに大きな目標を掲げた。それから16年余り。夢はついに現実のものとなる。

 小学生時代からプロ野球ではなく米大リーグのテレビ中継に夢中だった。イチロー氏=本名鈴木一朗=らの活躍を目に焼き付け、憧れを膨らませた。所属していた学童野球チームの練習を終えるとバッティングセンターへ通い、納得のいく打球が打てるまでバットを振り続けた。

 進路はすべて自分で決めてきた。プロに入っても妥協することはない。アテネ五輪陸上男子ハンマー投げ金メダリストの室伏広治氏に直筆の手紙を送り、トレーニング指導を志願した。

 25年ぶりのリーグ優勝を果たし、帰省した今年の正月。吉田選手は父正宏さんに「できれば今年(のオフに)メジャーにチャレンジしたい」と明かした。今季オリックスを26年ぶりの日本一に導き、球団からポスティングシステムによる大リーグ挑戦が認められた。

 「1日10回(練習を)やれば1年で3650回」。小学時代のコーチに積み重ねの大切さを教わった頃からずっと、野球への真摯な姿勢は変わらない。卒業アルバムにはこんな言葉も記している。「努力をすればきっと実る」―。

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 プロ野球オリックスからポスティングシステムで米大リーグ入りを目指していた吉田正尚外野手(29)=福井・敦賀気比高校出身=が12月7日、レッドソックス入りで合意した。代理人のスコット・ボラス氏が明らかにした。福井県出身選手の米大リーグ移籍は初めて。

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