【阪神JF/追い切り診断】人気2頭を上回る最高評価「S」 「精神力の強さはかなりのレベル」

■ウンブライル

【中間調整】ステルヴィオの全妹という良血馬で、6月の東京デビュー戦では危なげなく抜け出し、期待に応えてみせた。4カ月ぶりの一戦だった前走は阪神JFを意識し、阪神に遠征してのもみじS参戦。7頭立てと捌きやすい頭数ではあったが、後方から1頭だけ次元の違う脚を繰り出し快勝を収めている。その後、阪神JFに進むのは予定通り。休養で心身の成長を促され、11月17日に美浦へ帰還している。20日に坂路15-15で体をほぐし、以降は坂路とウッドを併用する前走時同様の調整が進む。1週前のウッド併せ馬では準オープン馬をアオって併入。馬場の真ん中でまったくブレのない走りで、どちらが年長かわからないほどの動きだった。

【最終追い切り】ウッドでの最終追いは初コンビとなる横山武騎手を背に2頭の間に割って入る3頭併せ。道中は濃霧で不明ながら、ラストは楽な手応えで左右2頭の真ん中から鋭く抜け出していた。気迫十分。

【見解】2週前追いでは香港Cへ向け調整を再開していた皐月賞馬ジオグリフに食らいついていたし、脚力もだが物怖じしない精神力の強さもかなりのレベルにありそう。最終追いは濃霧の影響でゴール前だけの確認とはなるが、年長馬2頭を気持ちで圧倒するような雰囲気を見せていた。輸送を控えた当週でこれだけやれるあたり、体調面もすこぶる良好のはず。文句なしの状態と言える。

総合評価「S」

著者プロフィール

西村武輝(にしむらぶこう)●フリーライター
競走馬の追い切り評価を専門として、ネットメディア中心に執筆を続けているフリーライター。現在、UMAJIN.net「競馬サロン」においては毎週の重賞出走全頭のレポートを執筆、担当。またプロレス関連業界にも関わっており、週刊プロレスや書籍等への寄稿歴もある。

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