【阪神JF/追い切り診断】初マイルの伏兵に「A」の高評価 「前走時からさらに数段アップ」

■ブトンドール

【中間調整】デビュー2戦目の函館2歳Sを快勝。現2歳世代と初となるJRA重賞ウイナーとなった。その後秋まで休養。復帰戦だった前走のファンタジーSでは大外から豪快に脚を伸ばし2着に入ってみせる。坂でも勢いは衰えることはなく加速できていたあたり、一介の早熟馬でないことを強くアピールする内容だったと言っていい。特に反動がなかったことから予定通り阪神JFを目指すことに。中間は在厩で調整されている。初時計だった11月23日の坂路追いでラスト2F13秒5-12秒7(馬なり)をスムーズに加速し、反動の少なさをアピール。前走時同様1週前追いはCW調整となったが、単走・馬なりでラスト1F11秒3と豪快に切れた。首を小気味よく馬自ら気持ちを乗せており、鞍上の指示でさらに回転数を上げる内容。気持ちの面がピタッと整っている印象だ。

【最終追い切り】最終追いはこちらも前走時同様、坂路単走。活気と落ち着きが同居したいい雰囲気で登坂し、ラストは軽く促しただけで一気に回転数を上げることができていた。まったくの馬なりでラスト2Fは12秒2-11秒5とこの日も圧巻の切れを披露。

【見解】1週前のCW、当週の坂路と脚を溜めて豪快に弾けさす準備は万端といったところ。上々のデキに思えた前走時からさらに数段アップか。前進気勢が強過ぎるような面は感じず、鞍上の指示にしっかり従えており初のマイルでも大丈夫そう。好気配だ。

総合評価「A」

著者プロフィール

西村武輝(にしむらぶこう)●フリーライター
競走馬の追い切り評価を専門として、ネットメディア中心に執筆を続けているフリーライター。現在、UMAJIN.net「競馬サロン」においては毎週の重賞出走全頭のレポートを執筆、担当。またプロレス関連業界にも関わっており、週刊プロレスや書籍等への寄稿歴もある。

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