6冊目解読書を発行 高鍋・明倫堂文庫を学ぶ会

「旧記抜書」の新たな解読書を発行した明倫堂文庫を学ぶ会のメンバー

 高鍋藩校・明倫堂の古文書解読に取り組む高鍋町の「明倫堂文庫を学ぶ会」(下川洋一会長、19人)は、藩主の秘書役である用人が書き残した「旧記抜書(きゅうきぬきがき)」の新たな解読書を発行した。9代藩主・秋月種任(たねただ)の意気込みや、新藩主を支える祖父・種茂の存在の大きさがうかがえるという。
 同会は2013年に現在の名称となり、同町の一般財団法人正幸会の援助を得て定期的に解読書や読み下し本を発行。県文書センター人材育成アドバイザーの永井哲雄さん(88)を講師に町立高鍋図書館で月1回、勉強会を開いている。
 今回の解読書は6冊目で1810(文化7)~17(同14)年分。家老の失脚や種任の2番目の正室、幕府から命じられた役目に伴う出費などに関する記述があり、語句の注釈や各年の解説文を載せている。
 B5判で107ページ。一部は県内外の図書館や町内の学校などに寄贈。希望者には1冊千円で販売する。同会の矢野やす子さん(電話)090(4988)9605。

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