未来の寿司には魚がのってない? 小学生がお寿司で学ぶSDGs くら寿司が出張授業

食品ロスの削減や水産資源を守る大切さを学んでもらおうと、大手回転寿司チェーンの「くら寿司」が、広島・福山市の小学校で出張授業を実施しました。

「未来のお寿司がこちらです。将来、お魚が捕れなくなってしまって…」

魚ののっていないスシ…。

福山市の戸手小学校で5年生を対象に開かれた出張授業「お寿司で学ぶSDGs」です。

全国に525店舗を展開する「くら寿司」が、ことしから各地の小学校で取り組んでいて、中国地方では初めてです。

児童たち
「おー。シイラ」

グループに分かれた子どもたちが見たり、触れたりしているのは、リアルな魚の模型です。

児童たち
「すごい。ツルツル。かたい」

市場にあまり出回らないウツボなど低利用魚の活用方法を知ることで、漁業者の収入の安定化や、国産天然魚の価値の向上などにつながることを学んでもらいます。

こちらは、低利用魚の1つ「ニザダイ」です。

くら寿司は、キャベツをエサにすることで商品化につなげています。

同じく低利用魚のボラやシイラなどは海鮮丼に活用…。

そして、獲れた魚は100%使うよう、すり身にしてコロッケなどの料理に使うよう工夫しているのだそうです。

児童
「ハマチ、来い!」

続いて、回転寿司店を模擬体験です。ただ楽しむだけではなく、学ぶのは、「食品ロスの削減」です。

スシを提供する側と客側に分かれます。

児童たち
「イクラはやった」

「やってない」

提供する側は、人気のランキングをもとに客が手に取るネタを予想し、台にいざ投入、客側は、カードに書かれたネタをとります。

児童たち
「おぉ。すごい。いぇーい」

食べられなかったスシは廃棄へ…。

どのチームが廃棄数が少ないかを競うゲームで、フードロス問題を体感しました。

くら寿司では、ICT活用のシステムを導入後、12%だった食品ロスが3%まで改善できたということです。

戸手小学校 5年
「低利用魚という、ふだん食べられない魚たちをいろいろな工夫で食品ロスを減らしているんだなと思いました」

くら寿司授業の講師担当 岡本愛理さん
「漁業の問題、海の現状は企業努力ではどうしても解決することはできなくて、未来を作っていく子どもたちに今の課題や問題を知ってもらうことが大切だと思っています」

出張授業は、広島市内の小学校でも来年1月に実施される予定です。

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