倉敷鳥インフル 県が制限全て解除 1カ月半で終息、再発防止徹底へ

鳥インフルエンザの再発防止に取り組む方針を確認した岡山県の対策本部会議

 倉敷市内の二つの養鶏場で発生した岡山県内で今季2、3例目の鳥インフルエンザで、県は9日、養鶏場から半径3キロ圏に設けている鶏などの移動制限区域を解くと決めた。解除日時は10日午前0時。1例目の制限は既に解いており、家畜伝染病予防法に基づく一連の措置は全て終了し、10月下旬の1例目発生から約1カ月半で終息となる。

 県によると、近接する二つの発生農場から3キロ圏内にある1農場が飼育する約7万7千羽に異常がないことを確認し、国と協議した上で解除を決めた。これに伴い、畜産関係車両の消毒ポイントも全て撤去。3~10キロ圏の6農場に対する搬出制限は今月3日に解除している。

 9日は県庁で対策本部会議を開き、再発防止の徹底とともに、発生農場の経営再開を支援していく方針を確認した。伊原木隆太知事は鳥取、香川県でも感染が確認されたことを踏まえ「近隣県と連携を緊密にし、緊張感を持った対応を継続したい」と述べた。

 倉敷市内では10月27日に国内今季初となる1例目が確認され、11月3、10日に2、3例目が発生。県は飼育されていた採卵鶏計72万羽を殺処分した。農林水産省の調査ではいずれも野生動物などを介してウイルスが農場内に持ち込まれたと推測される。

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