シルバーストン、2023年シーズンに向け一部区間のフェンスの設置場所を変更。FIAとFIMも承認

 イギリスのシルバーストン・サーキットは、ウェリントンストレートからブルックランズとルフィールドに至る場所のフェンスの設置を変更し、2023年シーズンに間に合うように準備を進めている。

 フェンスの設置場所を変えることで、ファンがより近くで観戦できるようになることが期待されている。F1イギリスGPの主催者は、ドライバーと観戦用ファンゾーンの観客に安全上の悪影響がないことを保証している。フェンスは全長248mで、スイス企業のジェオブルッグ社が提供するものだ。フェンスは15m前に設置されるのでファンはより近づくことができ、コース上の光景がよく見えるようになる。

「これはFIAとFIMによって完全に承認されたシステムだ」とシルバーストン・サーキットのマネージャーを務めるリー・ホーキンスは語った。

「ストレートでのスピードと、F1の新たな安全性の側面を考慮すると、ジェオブルッグのシステムに移行する適切なタイミングだった」

「我々はファンに最高の体験と光景を提供したい」

 ジェオブルッグのフェンスの設置は簡単な手順で手早く行うことができる。フェンスは時速60kmで発射された780kgの球体や、20度の角度で衝突する実車を受け止めるテストをパスしており、グレード1のサーキットすべてで使用されている。

「シルバーストンの再開発計画の一翼を担うことを大変うれしく思っている」とジェオブルッグのモータースポーツソリューション担当ディレクターのヨハン・ブラウンワースは語った。

「我々の移動式デブリフェンスを導入することで、ウェリントンストレートの観客に素晴らしいコースの眺めを安全に提供することができる」

 再開発はドローモ社との提携によって行われており、同社のシミュレーションにより新たなデブリフェンスの設置が、安全上の要件を満たしていることが確認された。ドローモのCEOを務めるヤルノ・ザフェリは、「我々はこのシステムを採用することを決めた。FIAが承認したからというだけでなく、設置が非常に簡単だからだ」と語った。

「わずかに動かしたり、何かを調整したりすることが可能だ。非常に簡単なことだ」

 作業は今月中に完了する予定だ。つまり、7月7〜9日にF1第12戦として予定されているイギリスGPを含め、2023年にシルバーストンで開催されるすべてのレースに向けて準備ができるということだ。

2022年F1第10戦イギリスGP スタートシーン

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