長崎市長選 田上氏5選不出馬 政界引退の意向「次代へ新たなリーダーを」

5選不出馬の理由を説明する田上市長=長崎市役所

 長崎市の田上富久市長(65)=4期目=は9日の定例市議会最終本会議で、「5期目を目指さないと決断した」と述べ、任期満了に伴う来年4月の市長選に立候補せず、今期限りで退任すると正式に表明。任期を終えた後は政界を引退する意向を示した。
 田上氏は「次の時代の基盤づくりを仕上げると同時に、生かし方、使い方に力を尽くす新しいステップに入ろうとしている。新しいリーダーの下で進めるべきだ」と述べた。
 本会議後の記者会見では「バトンをつなぐ時期がいつか、1年前から折に触れ考えてきた。今回か4年後か、熟慮する時間が必要だった」と、この時期での決断に至った理由を語った。
 「5期目は大きな支障にはなっていない」と多選が不出馬の理由ではないと説明。一方で、2月の新知事誕生や、自身と同じく4期目での勇退を先月表明した朝長則男佐世保市長(73)に言及し「長崎県は新しい時代に入ろうとしている」と述べた。
 後継指名について「長崎市を担うという強い気持ちで、手を上げていただくことが大事」と強調。その上で「今の市政をつないでくれると思う人がいれば、応援することはあると思う」と含みを残した。
 田上氏は市統計課長だった2007年、4選を目指していた伊藤一長氏が選挙運動中に射殺されたのを受け補充立候補し、初当選。九州市長会長や平和首長会議副会長などを務める。


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