沖縄県、夜間中学設置に前向き 国に基準緩和を要請へ 知事「行政責任の1つ」

 玉城デニー沖縄知事は9日、珊瑚舎スコーレ高等部を運営する学校法人雙星舎(そうせいしゃ)による私立夜間中学校の設置に向け、文科省が定める中学校設置基準の緩和を国に働きかける考えを示した。同日の県議会11月定例会一般質問で、座波一氏(自民)に答弁した。

 玉城知事は、義務教育を修了していない人に学び直しの機会をつくることは「行政責任の1つだ」と説明。各都道府県に公立夜間中学校を1校設置するよう促す文科省などに対して「設置基準緩和を働きかけたい」と述べた。

 一般質問に答えた宮城力総務部長は、雙星舎からの認可申請は設置基準に基づく物的要件に該当しないため「適当でない」と判断したと説明。高齢者などを対象にした夜間中学校と、子どもが通う昼間の小中学校運営の違いを理解しているものの、知事の裁量で基準を緩和することは難しいことから「何らかの策を検討したい」と述べた。

(嘉陽拓也)

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