定年65歳へ条例改正案提出 田辺・西牟婁の市町、段階的に引き上げ

公務員の定年延長

 地方公務員法の改正を受け、和歌山県の田辺市や西牟婁郡の3町は、職員の定年を現行の60歳から65歳まで延長するための条例改正案を12月議会に提出。2023年度から2年ごとに1歳ずつ段階的に引き上げ、31年度から65歳にする方針だ。

 国家公務員の定年を65歳まで延長する国家公務員法の改正に合わせ、昨年6月に地方公務員法が改正された。

 60歳を超えた職員の給与は、それまでの7割水準に引き下げる。また、若い世代の管理職昇進が滞らないようにするため、60歳を迎えると部長や課長から外す「役職定年制」も導入する。

 60歳を過ぎてから定年前にいったん退職し、短時間勤務で働く「定年前再任用短時間勤務制」も取り入れるなど、多様な働き方が可能になる。

 田辺市によると、来年度に60歳となり、定年延長の対象となることが見込まれる職員は20人いる。31年度までは1年置きに定年退職者がいない年度が発生することになるが、組織運営の安定化を図るため、新規採用職員の人数については調整していくという。

 市総務課は「豊富な知識や経験を生かして働き続けてもらうことで、若手職員の育成や行政サービスの維持、向上につなげたい」と話している。

 改正地方公務員法は来年4月に施行されるため、各自治体が対応を求められている。県内の多くが同様の条例改正案を12月議会に提出している。県は9月議会で提出し、可決されている。

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