遺児学生に進学支援を 3年ぶり募金活動 コロナ前から大幅増、神奈川の奨学生が過去最多

遺児らのために寄付を呼びかける奨学生=10日午前、横浜駅前

 病気や災害などで親を亡くしたり、親に障害があったりする子どもたちを支援する「あしなが育英会」(東京都)の奨学生が10日、神奈川県内7カ所で街頭募金を行った。新型コロナウイルスの影響で見送られており、実施は3年ぶり。奨学生たちは「同じ境遇の後輩たちにも進学を諦めてほしくない」と声を張り上げた。

 「皆さんの寄付が大きな力になります」

 横浜駅前に学生たちの訴えが響いた。街頭募金は毎年続けられてきたが、県内では2019年10月以来の実施となる。3年ぶりとあって初めて寄付を呼びかける奨学生も多く、先輩のアドバイスも受けながら通行人らにアピールを続けた。横浜市泉区の自営業鈴木哲也さん(50)は「肉親を亡くすのはつらいと思う。素通りできなかった」と話し、寄付に協力していた。

 育英会によると、県内の奨学生は今年3月時点で332人。コロナの影響で経済状況が悪化する家庭も多いといい、コロナ前の2019年度(245人)に比べて大幅に増え、過去最多になったという。

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