串間市・本城地区で認知症カフェ始まる

串間市・本城地区で始まった、認知症患者や地域住民らが集う「本城地区茶飲み場オレンジカフェ」

 串間市本城地区で、認知症患者やその家族、地域住民らが集う「本城地区茶飲み場オレンジカフェ」が始まった。地域連携組織が自家用車で移動を支援する「互助輸送」と連携することで、移動手段の少ない高齢者も参加しやすく、地域交流の活性化を図る。
 周囲との交流が減った高齢者や、介護に疲れる家族らが地域とつながる場をつくり、悩み解消につなげようと、市社会福祉協議会が主催。11月から毎月第3火曜日の午後2時~3時半に、同地区の漁業、実籘勇次さん(78)の別宅を借りて実施している。
 ただ、運転免許返納などで移動手段がない高齢者の参加が課題だった。そこで、地域連携組織「まちづくり協議会『チーム本城』」が交通弱者を対象に10月から実証実験を始めた互助輸送を活用。前日午後3時までにチーム本城へ連絡すれば無料で利用できる。 第1回があった11月15日も、参加者16人のうち約10人が互助輸送で訪れた。参加者は振る舞われた焼きおにぎりやお菓子を食べたり、高台にある会場から景色を眺めたりしながら、話に花を咲かせていた。
 参加した同地区の吉田リツ子さん(92)は「コロナ禍で地域の人が集まる機会が減ったのでとても楽しかった。また来たい」と笑顔。市社協の認知症地域支援推進員、井手恵さん(39)は「幅広い世代が集まり、認知症患者や家族が暮らしやすい地域になってほしい」と話していた。
 参加費は1回200円。問い合わせは市社協(電話)0987(72)6943。

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