【広島のおでん】具材の多さで全国1位!おでんの老舗「権兵衛」に関係が?

寒い冬に食べたい、あたたかい鍋。家で食べた鍋ランキングでは、「1位:おでん 58.2%」「2位:すき焼き 46.9%」「3位:寄せ鍋 36.3%」とおでんが24年連続の1位!そこで今回は冬の定番「おでん」について色々と調査しました。

紀文 鍋白書2022より

実は、広島はおでんの具材の多さで全国1位になっているんです。おでんの具材の多さランキングでは、全国平均はおよそ8種類。しかし、広島県はおよそ9種類もの具材が入っており、最も少ない岐阜と比べると2種類も多いんです。皆さんのお家では何種類入ってますか?

でも何でこんなに多いんでしょうか。その理由を、練り食品などを販売している「紀文食品」広報室の萩原ゆみさんが教えてくれました。驚くほど具材が多い「おでんの老舗」が影響しているのではないかと。お店で食べた具材を家庭でも食べるようになった可能性も。という事なんです。

紀文 鍋白書2022より

紀文食品 広報室 萩原ゆみさん

そんな広島に影響を与えた、中区薬研堀にあるおでんの老舗「権兵衛」。1924年創業。広島最古の瀬戸内風おでん専門店です。おでんの具材、およそ9種類で全国1位の広島に影響を与えたかもしれない、権兵衛のおでんの具材は、なんと70~80種類!なぜこんなにもあるんでしょうか?実は、初代の頃から様々な具材を試して「おでん」にしていたそうなんです。

権兵衛

種類が多すぎて、困っちゃう!そんな方のために、権兵衛の人気具材ベスト3を発表!

第3位は、2Lサイズが小さくなるくらい煮込んだ、こだわりの「玉子」。第2位は、隠し包丁を入れてしっかり炊いている「こんにゃく」。第1位は、2日かけて3回以上炊いた、出汁がしっかりと味がしみ込んだ「大根」です。

権兵衛の出汁は、創業から受け継がれてきた優しい味。創業時は、遠洋漁業が出来ずカツオが獲れなかったため、サバ・アジ・イワシなどの削り節で作った瀬戸内風の出汁。その味を今も守り続けているそうです。

玉子 110円 こんにゃく 220円 大根 330円

70種類以上ある権兵衛のおでんの中から、おすすめの変わり種もご紹介します。

まずは「うなぎ」のおでん。お出汁ではなく、ごま・七味・山椒・ネギが乗った、たっぷりの味噌で頂きます。おでんの発祥は味噌ってご存じでしたか?田楽の頭をとって「おでん」になったんだそうです。味噌でいただく「うなぎのおでん」はおでんの原点なんです。

さらに、「さつま芋」のおでんもおすすめ。焼き芋にしてからおでんの具材にしているそうです。上品な甘さの後から香ばしさが感じられます。

うなぎ 550円

さつま芋 330円

どんな具材も「おでん」になる。という権兵衛の大将。そこで、おでんに良く入れる具材ランキングを見てみました。広島と全国を比較して、ベスト10にそこまで変わりはありませんが、おもしろいのが広島の11位以下です。

昆布・がんもどき・つみれなど東日本で好まれている具材が入っているんです。なぜ東西の人気具材が入っているんでしょうか。紀文食品の萩原さんによると、広島は、転出や転入など人口の流入、流出が多い県なので、東西の具材どちらも定着して人気になっているのではないかという事です。広島のおでんは「東西のハイブリッドおでん」なんです!

紀文 鍋白書2022より

紀文 鍋白書2022より

広島の人は、「新しい物好き」とよく言われますよね。そんな新しい物好きな広島人におすすめの「おでん」だけど「おでん」じゃない新感覚おでんをご紹介します。

南区的場町にある、オシャレなガラス張りの店構えの「Luv ODEN(ラブ おでん)」。なんと!イタリアン・フレンチをおでんにしているんです!本当におでんに出来るの?って思いますよね。それが出来ちゃうんです。

Luv ODEN

見た目は和風出汁の定番のおでんですが、1つの具材につき1つのソースを使うことで、食べる時には洋食になります。

まずは、人気の大根。たっぷりのキノコを使ったデュクセルソースをかけていただきます。おでんがイタリアンに変身。これが合うんです。

2つ目のイタリアンおでんは、チーズを乗せてオーブンで焼いた「玉ネギ」。玉ネギの甘味とおでんの出汁が合わさって、和風のオニオングラタンスープのような味わいです。お家でも食べてみたい。と言う方のために、簡単な調理方法を教えていただきました。出汁で煮た玉ネギに出汁とチーズを入れて、オーブンまたはレンジで5分加熱すると出来上がります。ぜひ試してみてください。

大根 200円 たっぷりキノコのデュクセルソース

玉ネギ 200円 アツアツグラタン風

最後に、紀文食品の萩原さんに「おでんを美味しく食べる3カ条」を教えていただきました。

その1「練り物は15分煮て食べるべし!」練り物を煮込みすぎると、うま味が全てぬけて出汁に出てしまうので煮込みすぎないようにしましょう。

その2「焼く、蒸す、揚げる、ゆでる。4種の調理法で作られた具材を入れるべし!」例えば、焼くは「ちくわ」、蒸すは「かまぼこ」、揚げるは「さつま揚げ」、茹でるは「はんぺん」など、すべて入れることで芳醇な味になるそうです。

その3「ぐつぐつ煮るべからず!」ぐつぐつ煮ると具材同士がぶつかりあってしまい、煮崩れて出汁が濁り味が落ちるそうです。大きな鍋にたっぷりの出汁を入れて、弱火で具材を泳がすようにしましょう。

みんな大好きなおでん。今年の冬は、アツアツの美味しいおでんを食べて、心も体もポカポカになってくださいね!

広島ホームテレビ『5up!』(2022年12月7日放送)

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