『直接会えなくてもCDで交流』 諫早コスモス音声訳の会が製作 視覚障害者に地元情報紹介

市報などを音声訳する会員=諫早市社会福祉会館

 視覚障害者へ身近な情報を音声で届けている諫早市のボランティアグループ「諫早コスモス音声訳の会」(中路美知子会長、33人)が、地元ローカル線やグルメなどの情報を紹介する特別企画版「交流会CD」を製作。対面での交流会がコロナ禍で3年連続中止となり、「直接会えなくても、つながりを大切に」という思いを込めた。
 同会は1988年設立。会員が毎月、「広報いさはや」の音声訳や市内のイベント風景などを収めた独自の広報誌「コスモス便り」などを、約50人の“リスナー”に郵送。2019年度の野間読書推進賞(団体の部)を受賞した。

「交流会CD」を製作した諫早コスモス音声訳の会メンバー=諫早市新道町、市社会福祉会館

 コロナ禍前、会員とリスナーが年1回、短編ドラマや音楽演奏などを一緒に楽しむ「交流会」を開いていたが、コロナ禍で中止を余儀なくされ、交流会に代わる特別企画版CDを2回製作した。
 今回のCDでは、市内のJRや島原鉄道の駅周辺スポットを紹介する「ローカル線巡り」や飲食店の特徴を伝える「諫早グルメ千円チャレンジ」、地元の方言を盛り込んだ「諫早の民話」を収録した。ローカル線巡りでは、車内アナウンスなども録音し、臨場感を演出。JR小江駅近くの種田山頭火の句碑など知る人ぞ知るスポットも盛り込んだ。グルメチャレンジでは味だけでなく、店内の様子なども伝わるよう、何回も店に足を運んで取材した。
 中路会長は「対面での交流会ができないのは残念だが、CDで気分転換してもらえたらうれしい。リスナー以外の方でも、音声による情報が必要な人は、ぜひ市立諫早図書館に問い合わせてほしい」と話した。

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