極上の牛ホルモンを備長炭で!うまみ、香り、肉汁の三拍子そろい踏み  【にっぽん食べ歩き】

「名物!ホルモン盛り合わせ(塩)」(提供写真)

 供給量が限られているため、上質の素材を安定的に仕入れるのは難しいとされてきたホルモン。東京・中目黒に開店した「炭火焼肉ホルモン うしごろ」は内臓専門の問屋を開拓、継続した仕入れが可能になった。丁寧な下処理をしたホルモンを備長炭で焼き上げると遠赤外線の効果か、うまみ、香り、肉汁が三位一体となり、五感をくすぐる美味を醸し出す。(共同通信=中村彰)

 看板メニューの「名物!ホルモン盛り合わせ」(1500円)はハツ(心臓)、シマチョウ(大腸)など6種の盛り合わせで、味付けは塩、しょうゆ、みその3種類から選ぶことができる。

備長炭で焼かれ炎を上げるホルモン

 最もシンプルにホルモンの味を感じ取れる塩味で試してみた上ミノの表面はカリカリ。一方、中はふっくらで、かむほどに上質のアミノ酸がわき出てくるのを感じる。

 コプチャン(小腸)は脂がたっぷり。片面だけを焼き固めてフワフワの食感を味わう。みそ味を試したハツ(心臓)はさっとあぶって口に放り込むと、みその香りとたんぱく質が抜群の調和を見せる。

 備長炭の効用には恐るべきものがある。肉の脂が備長炭に落ちて煙と炎が上がり、燻製のような効果で独特の香りが生まれる。火力の強さが表面を焼き固めうまみあふれる肉汁を逃がさない。

ハツ刺し

 サイドメニューも豊富だ。低温で湯引きしたハツ刺し(660円)は九州しょうゆで味わう。独特の甘みが特長の九州しょうゆがうまみをしっかりと引き立てる。

 第一胃袋のミノの柔らかさを生かした「上ミノ刺し」(770円)は韓国の甘辛調味料ヤンニョムとのコンビネーション。センマイ刺し(550円)は千切りのキュウリとごま油との組み合わせは絶妙だ。

 「やみつきキムチ」(440円)は漬け込まずにドレッシングであえた風であくまでもあっさり。「チョレギサラダ」(440円)は自家製の甘だれが箸休めにぴったりだ。

本気のホルモン辛ラーメン

 締めは韓国定番の辛ラーメンだが、一手間も二手間も加わっている。「本気のホルモン辛ラーメン」(770円)は自家製テグタンスープで調理し、ホルモンとニラなどの野菜がたっぷり。最後の最後までホルモンとそのエキスを堪能し尽くすことができるメニュー構成だ。

 ほかに「極みのタン 角切り」(1400円)、「同 薄切り」(1200円)、タン刺し(550円)とタン(舌)のメニューが多彩。ウルテ(喉の軟骨)刺し(770円)、牛スジ煮込みカレー(550円)など牛ホルモンの広範な部分を網羅している。

「炭火焼肉ホルモン うしごろ」の外観=東京都目黒区

 「とろけるロース」(2200円)、「赤身薄切り」(1400円)など正肉メニューも用意している。

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